連載「ダメ面接官の10の習慣」では、ダメな面接官に共通する特徴を取り上げながら、面接の質を向上させ、採用力を高めるためのノウハウをお伝えしていきます。第8回のテーマは「ダメ面接官は人と会うことを面倒くさがる」です。
面接を楽しめない採用担当者の最大の特徴は、「人を見るときの解像度が粗いこと」です。本来は無限のパターンがあるはずの人間を、まるで4パターンしかない血液型占いのように決まったパーソナリティーに当てはめてしまう。このような固定的な人の見方をしていると、「なんだか同じような人ばかり来て、同じような話をするなあ」「面接はなんて退屈な作業なんだ」という感情が湧いてきて、できるだけ人と会うことを避けるようになっていくのです。
「人を表現する言葉」を増やす
採用担当者は、人を見るフレームワーク(枠組み)を増やすことが大事です。フレームワークは言い換えると、「人を表現する言葉を増やす」ということです。「青」という言葉しか知らない人は、藍色も群青色もライトブルーもスカイブルーも全部同じに表現するしかありません。人についても同じことで「コミュニケーション能力が高い」「地頭OK」といった表現しか使えないようだと、個々人の持つ細やかな特徴について認識することはできません。「はじめに言葉ありき」「言葉こそが世界」です。基本的には、言葉にできることが認識できる、意識できることなのです。
人を表現する言葉を増やすには、性格心理学を学ぶなどさまざまな適性検査を受検してその概念を学んだり、伝記やノンフィクションなどの人物伝を読んでみたり(特に近現代史が生々しくリアリティーがあっておすすめです)することに加え、日々の面接業務において、他の採用担当者に同席して、同じ応募者についてどう表現するかを聞いて学ぶことなどが大切だと思います。
人を見る目が肥えてくれば(解像度が高くなれば)、面接の面白さは一変するはずです。毎回が特徴あるパーソナリティーを備えた人との一期一会の場となります。そのように捉えられれば、面接を面倒くさがってなるべく会いたくないなどとは思わなくなるのではないでしょうか。
著者プロフィール: 曽和 利光 氏
リクルート、ライフネット生命、オープンハウスと、業界も成長フェーズも異なる3社の人事を経験。現在は人事業務のコンサルティング、アウトソーシングを請け負う株式会社人材研究所の代表を務める。
編集:高梨茂(HRレビュー編集部
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