連載「ダメ面接官の10の習慣」では、ダメな面接官に共通する特徴を取り上げながら、面接の質を向上させ、採用力を高めるためのノウハウをお伝えしていきます。第8回のテーマは「ダメ面接官は人と会うことを面倒くさがる」です。
これを採用においてはよく「裾野広ければ、山高し」といいます。できるだけ少ない人数と会うことが「効率採用」ではありません。確率を高める努力をした結果、それ以前よりも相対的に少ない人数で良い人を採用できるようになる、というだけのことなのです。
「採用最適」ではなく「採用“担当者”最適」になっていないか
このあたりをはき違えている、もしくは確信犯的にできるだけ人と会わないようにしようと考えている人事は、会社の採用力を下げてしまうダメな面接官(採用担当者)だと私は思います。
どんなところが問題かというと、まず採用活動を「採用最適」(自社の採用にとって何が一番良いか)ではなく、「採用“担当者”最適」で考えてしまっていることです。もっといえば、「自分がいかにラクになるか」で採用方法を検討しているのです。確かに、面接は大変気苦労の多い疲れる業務です。応募者のさまざまな側面に目を光らせて観察する必要があり、かなりの集中力と体力を要します。ですから、これを本能的に避けてしまうのもわからないでもありません。しかし、それが結果的に会社の採用力を下げるのです。
「厳選採用」は採用力を下げる
面接数を少なくするということは、たくさんの選考基準を持ち、それをすべて満たす人のみを通すということです。しかし、「効率化」の名の下で書類選考や適性検査の合格基準を厳しくする人は要注意です。誰が見ても良い経歴の持ち主のみを面接に上げていると、そういう方は引く手あまたで辞退率も高いためなかなか採用できず、結局は「経歴は立派だが、中身はそれほどでもない」という応募者を採用することが多いからです。
本来は、他社が見逃しそうな「原石」を発見することこそが採用担当者の介在価値であると思います。そのためには、一見合格基準には満たないような候補者でも可能性があればできるだけ会うことが重要ではないでしょうか。
面接を楽しめるようになることが大事
きわめて労力のいる面接を多数こなすにはどうすればよいでしょうか。「人事は人の一生を左右することもある、大変重要な仕事なのだから、使命感や責任感でやりましょう!」と言いたいところですが、人事も当然ながら人間。根性や忍耐だけでは長続きはしません。
ですから、「面接を楽しめるようになる」というのが、面接をたくさんこなせる採用担当者になる一番の近道だと思います。つらいと思うから会いたくなくなる。しかし、楽しいことであれば、多少大変だとしても、むしろ率先してやりたくなるものです。
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