福島県では、首都圏で働く起業家やその予備軍を誘致しようと、県内で活躍する起業家による講演会を2月12日に都内で開催した。福島県は、今までは起業の裾野を広げる取り組みを中心におこなってきたが、この動向をさらに加速させるべく、今後はリーダー的な起業家を増やし、その盛り上がりを全体に波及させていく必要性を感じ、今回新たに『起業の連鎖』創出事業を始動するに至った。
福島県では、首都圏で働く起業家やその予備軍を誘致しようと、県内で活躍する起業家による講演会を2月12日に都内で開催した。
当初40名だった枠を急遽増席して、最終的に約60名弱が参加
福島県では2000年代から起業支援に力を入れて、起業の裾野を広げる取り組みをおこなってきた結果、全国でも開業率が毎年上位にランクインするまでに至った。
福島県商工労働部産業創出課 吉田和史氏
そこでこの動向をさらに加速させるべく、「裾野を広げる取り組みに加えて、今後はリーダー的な起業家を増やし、その盛り上がりを全体に波及させていく必要性を感じ、今回『起業の連鎖』創出事業を立ち上げました」と福島県商工労働部産業創出課の吉田和史氏は事業主旨をこう語る。
同事業では、東北の起業家支援で実績がある一般社団法人MAKOTOと組み、首都圏など県外でアクティブに働いている起業家やその予備軍を福島県に誘致、そして彼らを支援しながら事業を大きくしていくことで、新たな起業者層を呼び込むなど連鎖反応を起こしていこうと考えている。
司馬天風氏
既にその狙いは当たり始めており、新潟県でカンテックという会社を経営するとともに、ロボット関連の商社ビジネスを展開すべく、新たに福島県で起業予定の司馬天風氏(Iターン)は「原発関連に着手すると同時並行で積極的に海外市場に打って出て、そして海外でつくったモデルを逆輸入しようと考えています」と視線は既に海外に向いているなど、今まで県内には数少なかったアクティブな起業家が現れ始めている。
そして事業が大きくなってくれば、UIJターン者や地元住民の雇用の受け皿となることも期待される。
会津ラボ 久田雅之氏(左前)
アプリ開発を手掛ける会津ラボの久田雅之氏(Uターン)は「現在30名強ですが、県内出身者は7割、そして会津出身者は6割という構成です。彼らは、一度は東京に出て大手企業で働きながらも、地元に帰りたいという想いで応募してきました。東京の場合だと企業とのつながりは雇用契約だけなので簡単に転職できますが、彼らの場合“地元”という切っても切れないつながりがあるので、離職のリスクを考える必要もないですね。」と人材戦略面でのメリットをこう語る。
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高齢化や人口減少を筆頭にさまざまな課題が地方に山積されているなか、特に福島県はこれら課題に加えて、東日本大震災からの復興という特有の課題があり、課題の量・質ともに福島県以上の地域はないかもしれない。
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2015.07.17
2009.10.31
「地方創生のススメ」編集部 (東京過疎化プロジェクト)
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