指導要領改訂をきっかけに、他の都道府県では次々と「絶対評価」が高校入試の内申点に採用されていった中、たった一つ「相対評価」を続けてきたのが大阪府である。その大阪で2016年度の公立高校入試から「絶対評価」へ切り替わることが決まった。しかし、この「絶対評価」を採用するにあたって、「全国学力テスト」を入試に活用するという発表がでて、文部科学省と大阪府で新たな論争が・・・!
入試に直結したテストとなったことが、都道府県順位アップの引き金になったことは確かでしょう。だいたい学校別の平均点により、内申点が左右されるのです。連帯責任のようなもので、それぞれの中学校の先生が、この全国学力テストをがんばらないわけがありません。
読者の中には点数がアップして良いではないかと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、全国学力テストの時だけ、点数が上がるに過ぎないのです。本来は、日頃の教育効果を測定するために、全国学力テストがあるのに、その趣旨を逆手にとって、入試とリンクさせ都道府県順位アップを画策しているように私には思えて仕方がないのです。
全国学力テストの順位は、注目度も高く、それぞれの都道府県、市町村、学校別の教育関係者のランク付けになってしまっているからです。
もし、私の危惧が本当であるとするなら、これは政治家の点数稼ぎのために、また教育委員会のメンツの保持のために大阪府の高校入試改革があるようなものです。
私は大阪府の一連の政治主導の教育改革が、間違った方向に進んでいるように感じています。
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2015.07.17
2009.10.31
合資会社 マネジメント・ブレイン・アソシエイツ 代表
1961年、神奈川県横浜市生まれ。 現在、合資会社マネジメント・ブレイン・アソシエイツ代表。 NPO法人 ピースコミュニケーション研究所理事長。