バズワードが刻々と変化する中、Makersムーブメントとよばれた動きは、落ち着きを見せてきました。一方、Makersの役割の担い手が、これまでのギーク的な男性から、雑貨・アクセサーリーを中心としたハンドメイド型の女性へとシフトしつつあります。その意味合いはどこにあるのでしょうか。ここ2-3年の変化と、今後の方向性を解読します。
例えば、東急ハンズは手作り品のワークショップ・講座を開催するほか、「ハンズ・ギャラリー・マーケット」で個人作家の手作り品の販売を支援しています。
そして、ここにきて「ものづくり系女子」の神田沙織氏など、女性のものづくりクエイターの注目度が高まってきています。
神田さん自身は、2010年頃から3Dプリンタを活用した活動をしており、流行に載ったのではなく、流行を作った人の一人ともいえると思いますが、2014年秋ごろから、女子向けイベントなど精力的に活動をされています。
ちなみに、2015年5月末にグーグルが発表した新プロジェクトは、布地にセンサーを織り込み、服をウェアラブル端末にするするというプロジェクトで「Procect Jacquard」と名付けられています。リーバイスと共同で次世代ジーンズを開発するということですが、このプロトタイプの専用の布は、日本で開発が行われており、福原志保さんという方がリーダーとなって進めているそうです。
https://www.google.com/atap/project-jacquard/
誰もがクリエイターになる時代へ
このようにモノづくりに女性市場的な観点の広がりが予想されますが、一方で課題もあります。
女性に限らず、テクノロジーが進んだとしても、モノづくりを3Dプリンターを使う前提としての3Dデータの制作スキルや、電子工作に必要となる電子回路知識、はんだ付けなどの実装作業スキル、EC販売するためのWeb知識・SEOなどの実践ノウハウなどのハードルが存在します。
ハードルがあるからかといって、技術的ハードルはいずれ解消されるでしょうし、これらのハードルを下げるためのサービスが出現する可能性が高いと思います。したがって、この大きな流れは継続するのではないでしょうか。
事業機会としては、このような女性市場型のモノづくりとその商取引周りに、まだ実現されていないもの多く、今後チャンスがあると考えられます。
個人にとっては、何でも作れるとしたら「何を作りたいか?」、「なぜ作りたいか?」といった、人間の持つ根源的な創作欲求・創造性を刺激し続けることが重要となるだでしょう。そうすることで、誰もが新時代のクリエイターとなりえるのではないでしょうか。
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