バズワードが刻々と変化する中、Makersムーブメントとよばれた動きは、落ち着きを見せてきました。一方、Makersの役割の担い手が、これまでのギーク的な男性から、雑貨・アクセサーリーを中心としたハンドメイド型の女性へとシフトしつつあります。その意味合いはどこにあるのでしょうか。ここ2-3年の変化と、今後の方向性を解読します。
このらの、従来はフリーマーケットや、個人作品展示イベントなどで売買がなされていたが、米国EtsyなどのハンドメイドECマーケットなどの流行にみられるように、個人のモノづくりがネット経由で売買が広がりを見せています。
つまり、技術革新がなくとも、モノを作り、作品を売買する土壌が女性中心の市場に存在していたところに、新たなテクノロジーが加わることにより、より拡大する可能性を秘めているのではないでしょうか。
女性を中心としたモノづくりの特徴として、かわいいモノ、きれいなモノ、おしゃれなモノなどがあります。自分のために作る場合もあれば、親しい人に贈り物をするためのギフトとしても存在しえるでしょう。
モノづくりという表現でどこまでを含めるかにもよりますが、フラワーアレンジメント、手芸・ぬいぐるみ、菓子作り、ペーパークラフト、ラッピング、ファッション・服飾関係(裁縫・洋裁・編み物など)、東急ハンズ的なものが上げられます。
テクノロジーが加わることで広がる女性市場的モノづくり
ここにテクノロジーが加わるとどのような広がりが考えられるでしょうか。
すでに存在していた領域として、「テクノ手芸」が上げられます。LEDなどの電子回路と、フェルト生地などを使った手芸の組み合わせで、光るアプリコットなどを手作りするものです。また米国ではiNecklessやiCufflinksといったボタン電池を用いて光るネックレスや光るカフスボタンなども市販されています。
スマートフォンン関連アクセサリーとして、イヤホンジャックに差し込んで光る動物型のアクセサリーなど、いわゆるギーク系ガジェットに、「かわいい」要素を付け加える、用途も広がりを見せています。
http://www.amazon.co.jp/dp/4862670954/
そのほか、モノづくり支援サービスが各所でたちががり、モノづくりと販売を容易にするのを実現しています。例えば、上記のFabCafeなど各所ではモノづくりワークショップが開催されている。その他、米国で有名なNYに拠点をおくシェイプウェイズは、商品のデザインを同社のサイトに公開するだけで、その品物の注文があれば、同社が工場として商品を3Dプリンティングし、顧客に届けるサービスを提供しています。
また、国内でのCtoCのEC支援サイトも続々立ち上がっており、女性的モノづくり商品の販売を広げる役割を担うものと考えられます。
次のページ誰もがクリエイターになる時代へ
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2015.07.17
2009.10.31