PEST分析から読む近未来vol.1

2015.07.13

営業・マーケティング

PEST分析から読む近未来vol.1

竹林 篤実
コミュニケーション研究所 代表

PEST分析といえば、マーケティングのイロハのイ。これをやらずに戦略など考えられるはずもない。そこで、PEST分析の基本的な取り組み方から説き起こし、事例を元にその使い方を一緒に考えてみよう。

大切なのは、普段から情報を集めて分類しておくこと。分類基準は、とりあえず「この情報は、我社にとって得なのか/損なのか」ぐらいで考えておけばいい。


Economy、Society、Tschnology

PEST分析の中でもPoliticsは、最もわかりやすい。法改正のほかに政策変更も、ビジネス環境にダイレクトに影響する。アベノミクスによって、どのような変化が起ったかを振り返ってみれば、その影響の大きさを理解できるだろう。

もちろん、国内だけに限ることではない。つい最近なら、ギリシア問題があり、中国でも政府が株式市場に介入した。ギリシアがデフォルトすればどうなるか、中国の株式市場バブルが崩壊すればどうなるか。考えておいて損なことは決してない。

PEST分析の残りは、Economy、Society、Technologyである。経済的要因、例えば景気動向や消費動向、経済成長率、為替と株の動き、金利の変化などは、少し注意して新聞を読めばわかること。分析などと身構えることなく、気になった記事を破って「得するボックス」と「損するボックス」に入れておけばいい。そして10日おきごとにチェックすれば、おおまかな流れをつかめるようになるだろう。

Societyは社会的要因である。ここには確定した未来も含まれている。例えば、20年後の60歳人口は、既にほぼ確定している。自社のビジネスが対象としている顧客層の、今後の推移を見ておくことは戦略のベースとなる。

Technology、技術的要因が世の中を変えることは、今の30代以上の方なら実感として理解できるはずだ。例えば、スマホの普及によりライフ(ワーク)スタイルは、どう変わったか。スマホ以前の暮らし方や仕事の進め方を振り返れば、パラダイムシフトが起ったことを素直に理解できるだろう。今後、スマホのような変化を引き起こす技術は何があるのか。新しい技術が出た時に、これも「得するボックス」と「損するボックス」に分けるクセを付けておけばいい。


誰でもできる「PEST分析」

まとめると「PEST分析」は、決して難しいことではない。自分なりの情報源を決めて、そこで得た情報を分けることだ。情報が溜まった時点で、それぞれが自社のビジネスに与える影響を考えてみる。ただ一つだけ注意して欲しいのは、情報源の偏りをなくすこと。例えば日本の新聞だけを読んでいると、同じ出来事について世界がどう見ているかがわからない。英語を読めるなら、英字紙を読めばいいし、英語が苦手なら日本語版の記事もある。次回からは、実際にPEST分析を行い、近未来を予測してみよう。

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