2014.09.30
【地方創生のススメ】逆転の発想で“空き家”を地域資源に!
「地方創生のススメ」編集部 (東京過疎化プロジェクト)
合同会社RegionWire
2014年7月に発表された総務省の資料によると、全国の住宅に占める空き家の割合は2013年10月時点で過去最高の13.5%にあたる819万6400戸に上ったようだ。そしてその大きな要因として人口減少や高齢化による過疎化が考えられ、実際空き家が散在する地域も多いと聞く。また空き家への放火やホームレスの居住、はたまた大麻の栽培がおこなわれたりするなど、治安面でも空き家の増加は不安視されている。
(画像)リノベーションを経て地域交流拠点に生まれ変わった新「初音湯」
そこであわえでは、明治・大正・昭和時代、まだ各家庭に風呂がなかった時代には住民交流の場の役割を果たしていた銭湯を、現代の“地域住民の交流施設”としてリノベーションすべく2014年5月末から改修工事を進め、2014年9月に新「初音湯」を開所させた。なお新「初音湯」はあわえの社員も常駐して、地域住民との交流を図りながら潜在的な地域課題を探る、そんな場にもしていきたいとしている。
(画像)気軽に地域住民や観光客が立ち寄れるように施設を開放
===空き家をスタートアップのオフィスへ===
初音湯の開所に先立つこと1か月前、Studio23が同地区の空き家をリノベーションしたオフィスを開設した。Studio23は、大手メーカーのロゴやフォントなどブランディングデザインを手掛ける兵頭デザインの代表・兵頭将勝氏が美波町で起業した地域ブランディングのスタートアップだ。
(画像)Studio23の古民家オフィス
元々Studio23は同地区から少し離れたエリアの老人ホーム跡地にオフィスを構えていたが、あわえから「日和佐エリアリノベーションプロジェクト」の話を聞き、同地区にオフィスを開設することに賛同。そしてあわえによる物件選定やリノベーション支援のもと、2014年8月に同地区の空き家をリノベーションしたオフィスを完成させた。
===新たな需要開拓へ向けて===
あわえやStudio23をはじめ、この数年美波町では豊かな自然環境でのワークライフバランスを実現しようと都会のベンチャー企業がサテライトオフィスを開設したり、首都圏で活躍するスペシャリストが地域課題を解決しようと起業したりしている。
(画像)美波町に2013年夏に進出したクラウドサービスベンチャー鈴木商店のサテライトオフィス
(画像)2013年に起業した、高齢者向けのIT支援を通じた地域マーケティングを手掛けるたからのやまの古民家オフィス
そして現在も毎週のようにサテライトオフィスの開設や起業を検討している企業や個人が美波町へ次々と来訪している。しかしただ視察するだけではなく、実際に美波町での働き方や生活を体験してもらうことが同町への進出の後押しになると考えて、あわえでは同地区に短期滞在型のサテライトオフィス体験施設(シェアオフィス)や移住体験施設(ゲストハウス)を開設することも計画している。そしてさらには実際にサテライトオフィス開設や移住を決めた際には、同地区でのオフィス開設や居住も促していくという。
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