2014教育サービス・フランチャイズ動向【後編】

2014.06.24

ライフ・ソーシャル

2014教育サービス・フランチャイズ動向【後編】

今野 篤
株式会社経営教育研究所 代表取締役

多様化する教育に応じて、フランチャイズの選択肢も個別指導一本から複数パッケージを選択できるようになってきた。英会話英語教室や民間学童に加えて、新たに理科実験や科学教室、そろばん、サッカーまで加わり、新しい教育FC市場を形成中である。

■幼児教室

 就学前の児童を対象とする知育教育は、右脳教育の七田チャイルドアカデミー(七田チャイルドアカデミー/大阪)や作文道を柱に幼児と小学生の心と学力を育てるナーサリー(東京こども教育センター教室/東京)、エンジェルコスモ(エンジェルコスモ/静岡)が以前からFCを展開中。

 幼児教育市場は約650億円で、お受験と知育教育のスクール比率は約1:4。近年は母親の学歴の向上に伴い教育熱心な家庭が増えたことと、少子化による市場の縮小により顧客層の低年齢化が進み、幼児教育に進出する企業が増えてきた。それに伴い、昨今、知育教育のFC化が進んでいる。

 主なブランドでは0歳時からの幼児教室を展開するコペル(コペル/福岡)、米国発のグローバルな教育システムジンボリー(キッズラーニングネットワーク/東京)、母親が生徒のTOEベビーパーク(TOEZ/東京)などが、近年FCに参入。

 大手塾からは、心と脳を育むチャイルド・アイズ(拓人/千葉)、アートスタジオのアブラカドゥードル(明光ネットワークジャパン/東京)などがFC展開をしている。

■英会話・英語教室

 2011年の新学習指導要領の施行により、公立小学校5,6年生で外国語授業が必修化となった。また、2012年度から中学校でも英語の授業内容が改訂され、授業時間数、学習単語数が増加した。2013年より高校でも、英語授業のオールイングリッシュ化が図られる。さらに小学4年生から外国語授業が必修化される報道があったり、国際化を背景に英語教育に取り組む企業が出てきたりと、英語教育熱が再熱する雰囲気がある。

 矢野経済研究所によると、英会話・語学学校市場規模は前年度比3.3%増の2,965億円となった。幼児・子供向けは、英語教育の早期化傾向が強まるなか、2011年4月から小学校での英語必修化などが追い風となっているという。

 この動きに合わせて、東進こども英語塾(ナガセ/東京)が全国規模でFC展開中。また、アルク(東京)と明光ネットワークジャパンは、2011年7月の業務資本提携にともない、両社の強みをいかした新しい事業プランを検討し、子ども英語教室の明光アルク英語スタジオのFC展開を始めた。

 この他、1,200教室を展開するペッピーキッズクラブ(イッティージャパン/愛知)、栄光HDグループのシェーン英会話&留学(シェーンコーポレーション/東京)、アメリカンランゲージスクール(IBジャパン/千葉)などがひしめき合い、市場が再活発化してきた。

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今野 篤

株式会社経営教育研究所 代表取締役

教育ビジネスのアナリスト/コンサルタント。専門はフランチャイズ(FC)とデジタル関連。個別指導FCやベンチャーなどの教育機関を経て、2009年に民間教育シンクタンク経営教育研究所を設立。教育と異業種を結ぶエデュイノベーションLLPパートナー。

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