今回の投稿では、営業生産性を飛躍的に向上させるための新しい営業フォーメーションの設計具体的な設計の仕方4段階のステップの内3と4を解説します。
■ステップ③ 商品セグメンテーションの定義
セールスパスを決定する上で、前回解説した顧客セグメンテーションに加えもうひとつの要素が商品セグメンテーションです。商品の特性によってセールスパスを変えていこうということです。
ここで定義する商品セグメンテーションとは価格とか機能とか、どういうニーズに対応したものかとか、市場から見た商品特性ではありません。顧客セグメンテーションの定義と同様で、売り手サイドからみて手間がどれくらいかかるかという要素が重要になってきます。つまり、手間がかかる、もっとひらたく言うと、売りにくい商品は顧客とのコミュニケーションもしっかりとしかも、対面で実施しなければいけませんが、手間がかからない商品はあまり対面でのコミュニケーションをとらないセールスパスを設計したいということです。
手間がかからないのに、体面中心で多くの営業コストをかけていたり、本当は手間がかかりしっかり体面で説明しないと無理な商品なのに、電話やインターネットの販売をチャレンジしたりしないようにするためのセグメンテーションを決めておこうということです。
それでは、具体的にどういうセグメンテーションを実施するのがいいでしょうか。
一般的には取扱商品を3つに分類します。1つめは、顧客ごとにカスタマイズが必要でもっとも手間がかかる一品一様型商品群、2つめは、ある程度標準化された商品に顧客固有のカスタマズ部分を加えるマス・カスタマイズ型商品群、そして3つめは企画商品として価格や機能が明確になったコモディティ型商品群です。
商品主導型のセールスが中心の企業では、実はコモディティ型、あるいはマス・カスタマイズ型商品が多くなります。大量の相手に告知作業を実施して商談を発掘して刈り取っていくタイプです。
顧客セグメンテーションと同様に、自社の取扱商品によって分類の数や分類の仕方が違ってきますので、これも慎重な検討を進めてください。
■ステップ④ セールスパスの決定
顧客セグメンテーションと商品セグメンテーションの定義が終了し、いよいよセールスパスの定義になります。
セールスパスの定義とは、「どの顧客」に「どの商品」をセールスするには「どのセールパス」が最も適しているかを決定することです。先に決定した、分業区分のセールスプロセスをどのスペシャリストが担当するかを決定することになります。
ここで重要なことは、なにをもって「適している」と判断するかです。営業活動の生産性、すなわちコスト効率のよいコミュニケーションという観点に立つと、対面よりセンター集中型のスペシャリストの登場が多い方がいいに決まっています。しかしながら、受注の角度や顧客満足度(実際はそうでもないのですが)の向上の観点で考えると対面営業のスペシャリストが多く登場する方がいいことになります。この一見、トレードオフしている関係を解決しながら設計をしていく必要があります。
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