頭がよくて要領も悪くないのに仕事ができない、成果が出ない……。その場合、原因は完璧主義にあるのかもしれません。「完璧な仕事をする」という常識は捨てましょう。上司や顧客に書類を出すときも、まずは40点ぐらいで出してみて、そこから調整していくのが“デキる人”なのです。 [北岡秀紀,Business Media 誠]
「80点から100点」は「60点から80点」の5倍大変
頭がいい、要領がいいタイプのはずなのに仕事ができない、成果が出ない……。その場合、完璧主義が原因であると疑ってください。
- 完璧にやろうとするから、どこから手を付けていいか分からない
- 完璧にやろうとするから、やることが異常に増る
- 完璧にやろうとするから、仕上がりが気になって手が動かなくなる
ですが、よく考えてください。そもそも100%完璧な仕事なんてあり得ません。
例えば、完璧主義者として知られたスティーブ・ジョブズが率いていたアップル社の商品だって、完璧ではありません。しょっちゅうバージョンアップしています。それはつまり、完璧な商品ではない、ということでしょう。
なぜ完璧主義がダメなのでしょうか? それは、試験で考えると分かりやすいです。
「60点を80点にする」と、「80点を100点にする」。同じ20点アップですが、どれくらい勉強の労力が違うでしょうか? 後者は前者の5倍以上の手間がかかるはずです。
80点を100点にする努力をしている暇があったら、80点の仕事を5個はできることになります。ビジネスによっては、40点を60点にする努力を10、20個やったほうがいい場合もあります。
試験であれば、80点と100点では全く評価が異なります。しかし、仕事において、80点と100点でどれくらいの差があるでしょうか? お客さんも上司も、その差にすら気付いてくれないはずです。
まずは40点くらいで出して、相手の反応を見る
この商品があたるか?
この広告が成功するか?
このやり方でいいのか?
仕事では、こんな不安がつきまといます。
とはいっても、いくら経験上で「いけそう」と予測していても、大きく外す可能性もあります。逆もまたしかりです。つまり、最後は実際にお客さんに出してみないと分からないのです。あなたは神様ではないのですから。
だからまずは、40点で出してみる。フィードバックが返ってきたら、それに基いて60、80点にする。この姿勢でビジネスをしていくことが肝要となります。
デキる営業マンは、まさにこの方法が得意。いきなり完璧な提案書を作るのではなく、まずラフ案をお客さんに持っていきます。それで方向性が正しいかを確認してから、提案書を作り上げます。こうすることで提案の方向性を間違えることもなくなりますし、接触頻度も増やすことができます。
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