何かと注目される「東大」、だからこそニュースにもなりやすい… それだけではなく、「東大」自身も、しっかりPRしているのです。 先ごろ、「東大が来年度から、年収400万未満の家庭の授業料を免除する」という記事を様々なメディアで拝見し、ブログなどで「すごい!」と噂にもなっていましたが、東大側から見ると…!?
東大が来年度から、年収400万未満の家庭の授業料を免除することを決定し、
教育ニュースとしてはかなり多くのメディアに取り上げられました。
「東大だからでしょ…」
という声が聞こえてきそうですね。
そしてまた、「東大だから」ニュースになりやすい、という部分も否めません。
しかし、東大発のニュースやイベントなどで、メディアの話題にそこまでならなかったものも、枚挙に暇がありません。
他の国公立大学に比して、東大は、かなりの数で「ネタ」を提供している大学とも言え、だからこそニュースとして取り上げられることが多い、という一面もあるのです。
たとえば今回のニュース。
プレスリリースの「書き方」「作り方」という側面から見ても、大変上手です。
なぜなら、元々、授業料の「全額免除」「半額免除」という制度はあった中、ちょっとした制度変更(=年収を基準にした。これまでは世帯収入からさまざまな特別控除額を引いた金額が基準額でした)を契機に、それそのものを記事にして発表したからです。
つまり、以前より、年収の低い家庭の子息・子女の授業料は、かなりの確率で免除されていたのです。
平成18年度、東大で授業料を全額免除されている学部生は370人存在。
新制度の適用を受ける学生は現在より1、2割程度増える、とのことですが…
・(上述のように)そもそも年収400万以下の家庭は、既存の制度でも全額免除になる可能性がかなり高かった(と推測される)。
※僕の同期生にも、全額免除の方はいました。
・この記事だけでは、これまでの「授業料半額免除」の人がどうなるかわからない。
→つまり、半額免除だった人が「全額負担」になる可能性があるわけです(制度変更により)。この結果、東大側の負担が軽くなるかもしれないです。
・東大生でも「授業料免除」の制度を知らない人がそこそこいた。
→今回の発表と制度の簡素化により、「知らない人が知る」ことで「適用を受ける人が増える」ことになるでしょうが、それはそもそも「制度を知らなくて免除されていなかった人」に対してしっかり払うようにするだけかもしれない。
※これそのものは良いことですよね。
つまり、内部的に見たら“単なる仕組みの変更”に過ぎないことを、それが「おっ、外部へアピールする話題になる!」と、ネタにし、外から見たら、
「東大が、なんと大胆な!」
「東大が率先して学びたい人を応援している!」
という「驚き」を生み出した、ここが(PRとしては)素晴らしいところです。
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