学生の就活が本格化しているが、内定をもらえる人ともらえない人でどのような違いがあるのか。これまでよく分からなかったことが、ビッグデータで明らかになってきたという。就活生の行動を分析している、リクルートキャリアの担当者に話を聞いた。[土肥義則,Business Media 誠]
土肥:軸? といいますと?
リク:「業種」「勤務地」「年収」など、軸になりそうな観点で分析を始めたのです。
土肥:ほー。例えば「勤務地」ではどのようなことが見えてきたのでしょうか?
リク:北海道と秋田は物理的な距離は近いですが、北海道の企業を選ぶ学生は、秋田よりも沖縄の企業を選ぶケースが多いのですよ。
土肥::へー、それは意外ですね。東京で働きたいと思っている学生は、東京がダメだった場合は神奈川か千葉か埼玉で働きたいと思っている人が多いのではないでしょうか。関西でいうと、大阪がダメだったら、兵庫か京都といった感じで。でも北海道を希望する学生は近くの秋田よりも、北海道から一番遠い沖縄を選ぶ傾向があるのですか。
リク:もちろん、東京や大阪といった大都市のほうが選ばれますが、秋田よりは沖縄でした。
土肥:「業種」ではどんな傾向が見えてきましたか?
就活生の傾向を分析
リク:就活生の行動を文系・理系別で見たところ、理系は「機械・電機系のメーカー」と「化学・材料系のメーカー」を同時に検討する人は少ない。しかし文系でメーカーを希望する学生は「機械・電機系のメーカー」と「化学・材料系のメーカー」のどちらも検討している。つまり、「機械・電機/化学・材料」といった業界のくくりではなく、「BtoB」か「BtoC」のくくりで検討するケースが多いですね。
また理系の学生にとって「福祉関連業界」と「レジャー・アミューズメント業界(パチンコやゲームセンターなど)」は近い関係にあるんですよ。ほかにも「化粧品」と「医薬品」などが近い。
土肥:化粧品の会社を志望している学生は、医薬品も狙っていて、両方にエントリーをしているということですね。
リク:はい。そうした人が多いということですね。
土肥:いやー、面白い、面白い。「勤務地」と「業種」をかけあわせて、学生の傾向を分析することもできるのですか?
リク:できますね。例えば、直近の行動からは「北海道のエステ・理容業界」に興味がある学生は「北海道の化粧品業界」を志望するケースが多い。
土肥:ほかには、ほかには?
リク:これ以上は勘弁してくださいよー。企業秘密がなくなっちゃうじゃないですか(笑)。
土肥:そこは“就活生を救う”と思って、もうちょっとだけ。
リク:では、もうひとつだけ。「兵庫のエステ・理容業界」に興味がある学生は「兵庫の化粧品業界」ではなく、「大阪のエステ・理容業界」を志望する人が高いですね。
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