ビッグデータ、大量データが戦略を決める、と言われているがユーザは過剰な期待を抱くべきではない。明確な目的がなければ、膨大なデータに振り回されることにもなりかねない。
ITは生産性向上のためのツールの一つに過ぎない。企業が ITに投資するのは、確実に投資コストを上回る利益が得られるとわかっているからではなく、そうなるだろうと信じているからである。お客様がわが社から ソフトウェア製品やそれに付随するサービスを購入して下さるのも、必ず価格を上回る価値が得られるとわかっているからではなく、弊社が言うことを信用して下さるからである。
ビッグデータの活用でビジネスが革命的に変わると期待することは危険である。物やサービスを購入する人々はほとんどが、売る側の宣伝を信じてそれを購入する。IT産業やメディアが情報技術について誇大広告をすればするほど、お客様も商品やサービスに過剰な期待を抱き、結果として提供側はその過剰な期待を満たせない可能性が高くなる。過剰な売り込みや誇大広告は、実体のないバブルを作り出し、そのバブルはいかなるバブルもそうであるように、必ず崩壊する運命にある。
(初回2012年12月14日掲載)
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2008.09.26
2010.04.20
トッテン ビル
株式会社アシスト 代表取締役会長
1969年、米国の大手ソフトウェア会社の一社員として市場調査のために初来日し、1972年、パッケージ・ソフトウェア販売会社アシストを設立、代表取締役に就任。2006年、日本に帰化し日本国籍取得。2012年、代表取締役会長に就任。