ビジネスマン、特に経営層がFacebookを使うことの危険性を指摘し、ソーシャルネットワーキングサイトと私たちの将来を予想する。
あのー、みなさん間違っても、そのクルマは社用車として会社損金で減価償却していないですよね? あきらかに彼女か愛人としか見えない相手との食事を接待交際費で落としていないですよね? ちなみに、Facebookの写真に見える資産は、万が一のときに差し押さえられてもいいんですよね?
プライベートな支出を会社経費として損金計上することはできませんけれど、わかっていてFacebookで公開しているんですよね?
……とまあ、私が心配する必要もないけれど、それくらい「大胆」な、というか、無防備な投稿が多い。もちろん、個人の生活を可視化・透明化したところで、清廉潔白であれば税務当局など怖くないだろう、とする意見もあるに違いない。しかし、むやみやたらに取引関係者・利害関係者を公にしてしまうことのメリットばかりではないはずだ。
・Facebookとのほどよい距離感
たとえばクルマを社用車として計上する場合は、「営業等の会社業務に使用しており」かつ「会社、あるいは近隣に駐車場がある」ことが必要となる。ただし、それを満たしていればどんなクルマでも大丈夫かというと、その妥当性については常に議論がつきまとう(つまり、高級車だったら認められないこともあるわけね)。なのにFacebookでリスクを自らさらすことはない。少なくとも私はそう思う。
ソーシャルネットワーキングサービスで人と人が「つながる」ことの優位性ばかりが喧伝されているけれど、危うさについても述べておきたかった。それにしても、なんでまたインターネットを使って、自分たちの会社が羽振り良いことを自慢する必要があるのだろう。「いいね!」を押した会社からは毎日のように社長の豪華絢爛な遊びっぷりがニュースフィードに流れてくるし、「友達」の一人は高級ホテルに泊りつづける様子をご丁寧に写真つきでアップしている。
いや、もちろんこれらの注意点はサラリーマンには無関係だと言われるかもしれない。ただし、自分が情報を発することの利点とともに、危うさも認識しておきたいのだ。ソーシャルネットワーキングサービスとの「ほどよい」距離感を意識するほうがちょうどいい。
ちなみに私はFacebookアカウントを持っており、毎日のように書き込んでいるものの、私生活や交友関係などはほぼ書き込んでおらず、ドラえもんとオタク趣味をひたすらつぶやいている。このような使い方がふさわしいものかはわからないけれど、危険はない。
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2012.12.01
2012.12.01
未来調達研究所株式会社 取締役
大阪大学卒業後、電機メーカー、自動車メーカーで調達・購買業務に従事。未来調達研究所株式会社取締役。コスト削減のコンサルタント。『牛丼一杯の儲けは9円』(幻冬舎新書)など著書22作。