製品・サービス単体での差別化が困難な今、製品・サービスの「選定プロセス」や「消費・利用」をより賢く、より楽しくできる「情報」を様々なチャネル・ツールを通じて提供することが、ますます重要なマーケティングになりつつあります。
具体的には、
・自社が扱う製品カテゴリーの歴史や知られざる秘話・逸話
・製品の部品や原材料にまつわる興味深い話
・賢い製品の選び方(選定基準)
・製品をより楽しむノウハウ
・楽しく使いこなしているユーザーの声
など、製品の仕様や特徴を伝える情報(「製品情報」)とは異なる、
消費者にとって価値ある情報
を提供する。
こうした価値ある情報を得た消費者は、その情報を提供する企業に対する信頼と好意が高まり、最終的にその企業の製品・サービスを優先的に選択・購入してくれる確率が高まるのです。
ところが、残念なことに、いまだ多くの企業はとかく短期志向で、すぐに成果を出したいと
「製品情報」
あるいは、販促のための
「キャンペーン情報」
ばかり消費者に大量に押し付けてしまっています。
その結果、逆に消費者に忌避され、ますます売れなくなってしまっています。
「製品情報」「キャンペーン情報」は、企業にとっては価値ある情報でしょう。
しかし、消費者にとってはそれほど価値が高いわけではありません。
(いますぐその製品を購入したい人を除いては)
消費者はそれ以前に知りたい情報があるのです。
それは、冒頭に書いたように、
・製品・サービスの「選定プロセス」や「消費・利用」をより賢く、より楽しくすることのできる「情報」
なのです。
もちろん、そうした「情報」の提供についても、競合が追随することができますし、競争優位性を維持するのは簡単ではありません。
それでも、「価値ある情報の提供」は、物理的な制約のある製品・サービス本体における差別化よりもはるかに制約が少なく、多様な展開が可能です。
しかも、消費者とのコミュニケーションは、インターネット登場以降、多様化しています。さまざまなチャネル、ツールが活用できる。
消費者に喜ばれる「情報価値」を高めることは、今後のマーケティングにおける最も重要な取り組み課題だと私は確信しています。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2015.07.10
2015.07.24
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。