仕事とは、「能力×思い→表現」である。私が行っている中学生向けキャリア教育の授業には、十分大人になって働いている皆さんにとっても、いまだ有効な気づきを与えてくれると思います。では、10枚のスライド講義をはじめましょう。
○「他人が笑おうが笑うまいが、自分の歌を歌えばいいんだよ。
平気で下手に、明るく歌を歌ってやればきっとうらやましがられる。
・・・しまいには音痴でないものが、頭をさげて
音痴同好会に入れてくれといってくるくらい堂々と歌いあげるんだ」。
───岡本太郎
○「一度途中でやめると、次に同じようなことがあったときに
また簡単にやめてしまう。……続けることが大事なんだ」。
───三浦知良(カズ)
○「人は努力するかぎり迷うものだ」。
─── ゲーテ
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さて、中学生向けの授業、いかがだったでしょう。
人間は学ぶことに老いすぎたということはありません。社会人として何らかの仕事に就いたいまも、やはり私たちは「働くとは何か?」という一大テーマについて悩みや惑いは尽きません。
働くとは、「能力×思い→表現」でした。あなたは常に能力を広げ、高めているでしょうか。さらに、いったん習得した能力の更新は怠っていないでしょうか(知識や技能は、放置しておくと陳腐化します)。また、その能力習得は、即効的に業務をこなすだけのハウツーものに偏っていないでしょうか。
能力以上に、あなたに「思い」はあるでしょうか。「何のために」という情熱や使命感、意味を働くことの基盤に据えているでしょうか。その仕事には「思い」がなく、技巧的に処理するだけの仕事に陥っていないでしょうか。
あなたの「表現」は、お客様から「スゴーイ!」「いいね。それ!」「助かったわぁ」「ありがとう!」の声で満たされているでしょうか。上司に叱られない程度の表現で、だましだましやっていないでしょうか。また、あなたは給料を「ガマン・辛抱」の対価とみなしてはいないでしょうか。
最後にあげた「賢人・偉人のことば」をどう読んだでしょうか。響くか響かないかは、ひとえに、あなたがその言葉を細い棒キレでたたくか、太い丸太でたたくかによっています。また、学ぶ心・追い求める心が錆びきっている人には、こうした言葉はむなしく聞こえるにちがいありません。
人は定年まで何十年と働きます。また定年後も働くことが普通になるでしょう。「働くこと」に対しての意識をいい加減にすることは、人生をいい加減にすることでもあります。職場で、家庭で、学校で、「働くこと」についての意識をおおいに掘り起こしたいものです。
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【中学生向け「働くって何だろう?」の授業をあなたに】
2013.07.17
2012.08.01
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表
人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。