問題が起きたときに誰が責任をとるのか、というのを言い訳に、オープンソース・ソフトウェアを使わない時代は終わった。
Ubuntuは、オープンでかつフリーなソフトと言われており、オープン(公開)であるだけではなく、“フリー”、これは無料というより自由ということを意味している。インターネットからダウンロードして誰でも使うことができ、改良しても良いが、外部に提供する場合は、その部分も公開しないといけない、という程度の決まりはあっても使用における条件はほとんどないものが多い。ソースが公開されていて中身が透明であるということは、トロイの木馬のようなものが入っていないかどうかもわかる。
それだけではない。オープンソースによって製品サイクル、ビジネスサイクルが急激に短くなっており、資金や社内のリソースの少ない企業で急成長しているところはとくにオープンソースやWebを活用しているという事実だ。優秀な技術者がライセンスコストのかからないオープンソースを活用してサービスを作りあげていけるということは、これまでソフトウェアを提供していた側から、ソフトウェアの利用者、開発者へと主導権が移ったことを意味している。
オープンソースを利用しても、オープンソース・プロジェクトに貢献できないからと、使用をためらう人も多いだろう。しかしコストを下げる目的だけでなく、オープンな技術、その考え方を経営にとりいれていかない限り、このIT業界のなかで生き残っていくことは長い視点からみるときわめて難しくなると私はみている。IT業界はもちろん、通信業界や小売業など、どの業界に属していようとオープンソースの利点を使わない手はない。
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2008.09.26
2010.04.20
トッテン ビル
株式会社アシスト 代表取締役会長
1969年、米国の大手ソフトウェア会社の一社員として市場調査のために初来日し、1972年、パッケージ・ソフトウェア販売会社アシストを設立、代表取締役に就任。2006年、日本に帰化し日本国籍取得。2012年、代表取締役会長に就任。