格差社会でもっとも貴重なリソースは、間違いなく時間になる。まさに『Time is Money』である。なぜなら、どんな大富豪でもセレブでも一日は24時間と決まっているわけで、つまりは一時間の価値が人によって違ってくる。そこを上手く付いたビジネスがある。
実際にそういう人がユニバ入場者の3人から4人に1人ぐらいはいるよう
だ。追加料金を払ってチケットを買う人は言うまでもなく納得済みで買っ
ているのであり、満足こそすれ文句が出ることはあり得ない。片やユニバ
サイドではチケットの印刷費だけ(大量に印刷することを考えればタダみ
たいなものだ)の原価で、追加収益を上げることができるのだからこれほ
どうれし・おいしい話はない。少なくともチケットを買うお客さんとユニ
バの間ではwin-winの関係が成立している。
このケースから学ぶべきは「格差社会(このいい方はあまり好きではない
けれど、とりあえず普及しているしわかりやすいので使わせてもらう)」
では、こうした時間価値の違いがビジネスになるということだ。
実もふたもないいい方をするなら、格差社会は能力差が収入の差に直結す
る社会ともいえる。すなわち能力によってはどうがんばっても時給100
0円がマックスの方(余談になるが日本シリーズMVPとなった中村紀洋選
手の今年の年棒400万は、実働時間を計算にいれて大ざっぱに計算する
と時給1000円ぐらいになるはずだ)がいれば、片方にはみのもんた氏
のように時給300万の人もいる。
そこまで極端な違いはないとしても、仮に時給1000円の人と2000
円の人がいたとしよう。するとこの二人にとっての一時間の価値は倍、違
うことになる。
しかも時間だけは、誰にとっても有限のリソースである。たとえビル・ゲ
イツ(とりあえず世界一の金持ちである)だって、寿命を200年に伸ば
すことは現時点では不可能なのだ。時間という限られたリソースを可能な
限り有効活用したいと考える人はこれから、さらに増えてくるだろう。
と考えれば、すでに時間が相当に貴重&希少なリソース化し、なおかつ時
間を買うだけの資力をお持ちの方々がいらっしゃることを私たちは知って
いる。団塊世代の皆さまだ。彼らに対しては余生をのんびりと充実してと
か、これからの資産運用をだとかいった切り口からのマーケティングが展
開されているが、それより何より「貴重な時間をもっと有効に使いましょ
うよ、そのためにはこれでしょう」的サービスの方がずっと訴求力が強い
と思うのだがいかがだろうか。
とりあえず「格差社会」マーケティングの最重要キーワードは『時間価
値』である。これだけは間違いのないところだと思う。
※参考資料:日経産業新聞10月23日付け23面『我が社の価格戦略?
アトラクション優先搭乗チケット』
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