不特定多数のユーザーが接続するインターネットでは個人情報の管理に細心の注意を払うべきだが、それでも必ずプライバシーが守られるとは思わないほうがいい。
2009年末、アメリカのテレビCNBCで、グーグルのCEOのシュミット氏は、同社は情報を一定期間保持し、アメリカ愛国者法にもとづき、そのすべてを政府当局に提出することもありうると明言し、プライバシーについて「人に知られたくないのなら、最初から利用すべきではない」と述べている。グーグルのサーバーは大半はアメリカにあり、だから前出の日本人男性の訴えが簡単に無視されるように、結局インターネットの世界はアメリカの法律下にあるようなものだとわれわれは覚悟する必要がある。
そして隠しごとをすることがない人でも、インターネットの情報は操作することも乱用することも簡単だということを覚えておこう。ブログ、FacebookやTwitter、Flicker、Youtubeその他さまざまなサイトを徘徊して、履歴書以外の「ほんとうのあなた」が一人歩きしないとも限らない。
インターネットにプライバシーは期待しないほうがいい。むしろ、あの人はこんなことをしてるから、また将来こういう行動をとるだろうからという予測までされて、会社をくびになるような日がこないことを祈ったほうがいいかもしれない。
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2008.09.26
2010.04.20
トッテン ビル
株式会社アシスト 代表取締役会長
1969年、米国の大手ソフトウェア会社の一社員として市場調査のために初来日し、1972年、パッケージ・ソフトウェア販売会社アシストを設立、代表取締役に就任。2006年、日本に帰化し日本国籍取得。2012年、代表取締役会長に就任。