いまわれわれは、近年で最も強い太陽放射線にさらされており、これによって、通信や電子機器の誤作動が生じる可能性がある。
日本政府がこの太陽嵐が及ぼす影響についてどれほどの対策をとっているかはわからないがIT企業として、サイバー戦争だけでなくこの自然の脅威に対しても、なにがしかの対策をとらなければいけないと考えている。多くの人はそんなことは決して起きないと信じているかもしれないし、なによりも、広域で通信インフラや電子機器に障害が起きても、このような注意喚起がなされていることすら知らなければトラブルが太陽の影響だとは思わないだろう。
地震と同様、太陽嵐も現実に起きたことであり、また地震と同じく自然の循環のなかで定期的に起きる現象なのである。太陽嵐によってグリッド(電力送電網)が停止すれば、通信、輸送、流通、医療、そして原子力発電所の電気系統も止まるのだ。
人類は過去100年の間にさまざまな進歩、発展を遂げたが、機器が精密であるほど太陽嵐の影響をも受けやすく、マイクロチップは静電気放電によっても損傷しうる。現代社会を支えているものは、自然の脅威にあまりにも脆弱としかいいようがない。
地震で津波にやられた三陸海岸では、石碑に「ここより下に家を建てるな」という教訓が刻まれていたというが、その先人の教えを忘れたふりをしたために被害が大きくなった。太陽嵐もSFの世界ではなく実際に起きたことである。ただ、そのときにはまだ今のようにあらゆる社会インフラが、精密機器に支えられてはいなかった。
これほどの自然の脅威に対して政府がなにもしないのなら、企業経営者ができることは限られているかもしれない。それでも、そのようなリスク対策を行うことは経営者の責任であると信じているし、コミュニティや社会への責任にもつながると思う。
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2008.09.26
2010.04.20
トッテン ビル
株式会社アシスト 代表取締役会長
1969年、米国の大手ソフトウェア会社の一社員として市場調査のために初来日し、1972年、パッケージ・ソフトウェア販売会社アシストを設立、代表取締役に就任。2006年、日本に帰化し日本国籍取得。2012年、代表取締役会長に就任。