多くの企業が流行のように取り組む、ビジョンや理念の策定。若手社員は、それをどう思っているのだろうか?
業務を硬直化させている権限やルール、アイデアや創意工夫を阻む管理職の能力と縄張り意識(セクショナリズム)、既得権を持った管理職層を守り優遇する仕組み。それらを壊し、組み立てなおすことこそ若者が求めている、ビジョンの策定より先にやるべきことではないのだろうか。
「Strategy(戦略)」を構築することと、「Structure(組織構造)」「System(システム・制度)」を変革することとは、対立や軋轢が生じるか否かという点において大きく違う。後者に関わると必ず反対や不満や不安が出て来るので、手を付けにくい。さらにその反対や不満や不安の発信者との、しがらみ(壊せない理由)を十分に持っているのだから、そんな人達には組織や制度を改革するのは無理だ。
恐らく、多くの若者には橋下さんと同じように、戦略が組織に限定されてしまう、旧態依然の組織や人材では限界があるということが見えているのだろう。私は、「組織や制度が、戦略に優先する」と堂々と主張した橋下さん(大阪人として親しみと期待を込めて「さん」づけした)に大いに期待をするし、そのことが企業経営者にも気づきと好影響を与えてくれることを願っている。
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2012.05.14
2010.03.20
NPO法人・老いの工学研究所 理事長
高齢期の心身の健康や幸福感に関する研究者。暮らす環境や生活スタイルに焦点を当て、単なる体の健康だけでなく、暮らし全体、人生全体という広い視野から、ポジティブになれるたくさんのエビデンスとともに、高齢者にエールを送る講演を行っています。