私達の生活に、もはや欠かせなくなった携帯電話やPC。今度は、スマートフォンやタブレットが、生活に浸透し始めようとしている。特にタブレット市場を牽引する、アップルiPhoneやiPadの進出は目覚しい。教育現場においても、家庭や学校、そして塾といったあらゆる場面での活用が始まっている。
続いてiPad ×教育の可能性について語ったのは、名古屋教育ソリューションズの山口宗芳氏である。iPadでeラーニングを行うメリットは、その起動の早さと10時間ものロングライフバッテリー、そしてインターネット接続で動くWebブラウザとオフラインで動くアプリの存在とマルチタスク機能によるスムーズな連携。
しかし、iPadはインターネットが繋がらないと、途端に利用用途がシュリンクしてしまう。インターネット接続設備未成熟エリア、病院のように物理的に設置できない場所、災害などによるインフラ遮断等が挙げられる。
iPadを教育に用いるには、オフラインとメリットを補完する機能が必要。それには学習アプリダウンロード時に、学習履歴の管理を同期すればこの問題は解決できる。これにより、iPad×オフライン学習が構築でき、本当に必要なときだけインターネットに繋げばよい、とまとめた。
家庭、学校、塾でも続々ipadを活用
海外の教育現場で、iPadの活用はいかがだろうか。アメリカではニューヨーク市の公立学校が、2,000台以上のiPadを発注。既にアメリカでは、ニューヨーク市の公立学校されている。アイルランドの中高一貫校では、従来の紙の教科書からiPadでの授業を取り組みはじめた。シンガポールのタンピネス中学校では、理数系科目をiPadで教えている。
日本でも千葉の袖ヶ浦高校では、今年度開設した「情報コミュニケーション科」で全国の公立校として初めてiPadを導入。福岡の博多高等学校では、iPadを100台導入しeラーニングに活用。このように学校でのiPadの活用例は、枚挙に暇がない。日本では学校だけでなく塾での利用も出てきている。
俊英館Flexでは2011年4月、iPadを使った小学生対象のPISA型学力養成コースを開講。ベリタスアカデミーでは、電子ホワイトボードの利用により授業効率を高めた有名予備校講師による映像授業配信をしており、いつどこでもiPhoneやiPadから見ることができる。
スタジオキャンパスでは、社会・理科の実験授業でiPadを活用。今春、栄光ゼミナールとリンクアンドモチベーションが共同で開校したモチベーションアカデミアでは、教室での授業の前に、iPadを使い講師の講義映像を見て予習をする。岡山の朝日塾宙SOLAでは、今年1月から小3~小6の全員にiPadを貸与し授業を展開。同社が導入している吉備学習システムとiPadの連動を図っている。
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2013.06.21
2013.09.30
株式会社経営教育研究所 代表取締役
教育ビジネスのアナリスト/コンサルタント。専門はフランチャイズ(FC)とデジタル関連。個別指導FCやベンチャーなどの教育機関を経て、2009年に民間教育シンクタンク経営教育研究所を設立。教育と異業種を結ぶエデュイノベーションLLPパートナー。