私達の生活に、もはや欠かせなくなった携帯電話やPC。今度は、スマートフォンやタブレットが、生活に浸透し始めようとしている。特にタブレット市場を牽引する、アップルiPhoneやiPadの進出は目覚しい。教育現場においても、家庭や学校、そして塾といったあらゆる場面での活用が始まっている。
また、雑誌についても同様で、デジタル雑誌市場は2015年に105億円となり、雑誌デジタル化の全体市場は350億円に拡大すると予測している。 既にこの勢いは、私達の生活にも達しているようだ。学研は2010年度末から「学研電子ストア」をオープン(図2)。5月に、アマゾンは同社で扱う電子書籍版が、紙媒体を超したと発表した。
どうやら紙媒体へのデジタル進出は、私達の思った以上の速さで進んでいるようだ。しかしもそれは紙に限ったことではない。紙以外の媒体でも同じことが起きつつある。
テレビはいかがだろうか。iPadでは簡単に「YouTube」で、無料で多くの動画を高画質で楽しめる。今後、個人が各々楽しむなら、テレビでなくiPadのようなタブレットがあれば問題ないだろう。PCや携帯電話の普及で壊れかけていた茶の間文化は、タブレットの登場でもはや消滅してしまうのかもしれない。それだけではなくタブレットは、PC、携帯電話、カーナビなどあらゆる分野に侵食し始めているのだ。
驚異的とも言えるIT技術の進化が、私達が考えるよりかは遥か速く、タブレットを生活に浸透させているのだ。かつてのPCや携帯電話がそうだったように。それでは果たして教育において、iPadのようなタブレットは実用性があるのだろうか。
iPad×教育 iPadを教育にどう使う?
デジタルナレッジは、iPadをはじめとするタブレット端末の教育現場における活用に取り組んでいる。同社が5月に開催したセミナー「iPad×教育 iPadを教育にどう使う?」で、最新教育ITタブレット端末・eラーニングシステムを連携し、タブレットが切り拓く新教育スタイルを説いた。
同社の代表取締役 はが弘明氏は、タブレットの教育利用上の特性として、「シームレス」「デジタル教科書」の2つを上げた。タブレットは、シームレスなラーニングプラットフォームになる。既存のeラーニングのように、教室を移動する必要がない為、学習を分断しない。結果として、ITを様々な学習環境に持ち運ぶことができる。
タブレット端末は単なる電子書籍機とは違い、デジタル教科書のプラットフォームに成り得る。そのためにも電子書籍を包括するマネジメント機能が必要であり、教育利用に当たっては、配布管理、ハードウェアのトラブル、セキュリティ、出版(著作権と出版の流れの変化)など、多くの課題をクリアしなければならないことも示唆した。
次のページ家庭、学校、塾でも続々ipadを活用
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2013.06.21
2013.09.30
株式会社経営教育研究所 代表取締役
教育ビジネスのアナリスト/コンサルタント。専門はフランチャイズ(FC)とデジタル関連。個別指導FCやベンチャーなどの教育機関を経て、2009年に民間教育シンクタンク経営教育研究所を設立。教育と異業種を結ぶエデュイノベーションLLPパートナー。