2001年、超氷河期といわれた時に入社した社員も早10年目を迎える。後輩も増え、中堅社員としてリーダーシップを発揮しながら任される仕事を自主性を発揮しながら遂行する、そんな年代だ。職場でもプライベートにおいても、最も充実している年代だといえるかもしれない。
演劇の演出をするために仕事の時間が限られることを自分にとってプラスにするために、坂田はこんな工夫もしている。
「例えばプレゼンテーション資料などを作る時、1~2時間集中して、えいやっと、全部作ってしまいます。アイデアが浮かばないページがあっても立ち止まらず、粗い原石のような資料を作る。そしてその後、細かな時間を見つけて「磨く」作業をするのです。珠を磨くのと同じで、磨けば磨くほどいいものになりますが、磨く時間が少しでも原石は出来上がっているので100点には及ばなくても及第点はもらえます。でも30ページの資料のうち10ページしかできていなければ0点になってしまいますから」
こんなふうに仕事の目処を早い段階でつけ、そこから磨く作業を繰り返すというやり方は、実は長年続けてきた芝居の脚本作りの手法を取り入れたという。
「推敲という作業を繰り返さないと良い本は作れないように、資料作りをする時もそれと同じ。仕事と芝居にはほかにも共通点があります。芝居は、その小さな劇場に集まったお客さんが一つの芝居を通して一体になります。感情のベクトルがそろった時に、その感情が波のように舞台に押し寄せてくる。役者たちはそれを糧に、もっと良い表現をする。劇場全体がそうやって同じ思いを共有するんです。そして、例えば小さな悩みを抱えていた人が“観てのお帰り”で、少しでも気持ちが晴れたり、前向きになってくれる。そうなれば見世物屋として本望です。コミュニティの本質とは“共有”することだと思います。ユーザ会も同じで、自分自身が講演をしたり、検討会に入ってファシリテートをすることも多いのですが、熱心に皆さんが参加してくれて、大きな流れのようなものを感じて、最後には参加された皆さんが、役に立ったとか、何かを共有できたと思っていただけた、そんな場を作ることができたと思った時には、お客様をお見送りしてほっとした後に、じわじわと“やった!”という嬉しさがこみ上げてきます」
去る6月15日には、今年第一回目の「JP1ユーザ会」が東京で開催され、坂田は、「災害対策 with JP1」と題して、「想定外に立ち向かうシステム運用」について講演した。震災後3ヶ月ということもあり、参加者は熱心に聞き入っていたようだ。
坂田の劇団名は「Gooday Co.」、良い日を共有(Co)しよう、という思いからつけたという。演劇では役者と観客が、そして職場ではユーザ会に参加した人々が、そこに参加することで何かを得て帰れるような、そんな場を作りたいという坂田。芝居と仕事という時間の区切りはあっても、良い日を共有できるコミュニティ作りという本質の意味ではオンもオフもない。だからこそ坂田はどちらの時間も熱心に真剣に取り組み、そして楽しんでいる。
次回はしたまち演劇祭 [http://www.shitamachiengekisai.com/2011/ ]にて8/31-9/4の日程で、公演予定である。
文責: 株式会社アシスト 広報部 喜田 真弓
お問合せ:press(アットマーク)ashisuto.co.jp
03-5276-5850
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