6月22日付の日経MJに「フレッシュネス200店全店、面積倍増」という記事が掲載された。サブタイトルは「5年後メド セルフ型に転換」。写真のキャプションには「今後は都心の1等地などに積極的に出店する(東京都千代田区の日比谷店)」とある。さらっと書いてあるが、これって、「別モノ」になってしまうぐらいの大変身ではないだろうか。そんな変身ができるのか?いや、そもそも、その狙いは何だろうか?
2階客室は下手なスタバより、ずっと居心地がいい。客の滞留時間長そうに思える。
しかし、地域特性か慌ただしく食べて出ていく客も少なくない。考えてみれば、そもそもファストフードを食べに来ているので、ビジネス客、買い物客など本来の目的があって、長時間過ごすことはない。事実、ランチ時間帯の平均滞在時間は20~30分というところだろう。
売上・利益アップをどう図るかという謎の答えは、前述の「居心地のいい客席」かもしれない。それによって、ランチや軽い夕食需要時間以外の「カフェ客」を吸引する。客席の空き時間がなくなり、稼働率が高まる。しかも、ドリンクはバーガー類より格段に利益率がいい。思い出してみれば、従来店も店頭に「飲み物だけでもどうぞ」と看板が出ていたが、正直なところ入りにくかったし、そもそも2等3等立地にはカフェ需要客は通りかからない。
フレッシュネスバーガーが1等立地戦略に転換し、オペレーションをセルフスタイルに変更したのは、「客数増・客席稼働率向上」が狙いで、そのために相当の努力をしてマニュアルの変更をはじめとしたオペレーション改良を行った。そして、さらなる収益化のカギは、食事時ではないバーガー類販売の閑散時間にゆったりした空間をカフェ需要客に提供し、客席稼働率を上げつつ、高収益のドリンクで稼ぐことなのだろう。
そうなると、フレッシュネスは時間帯によってはスターバックスが競合になる。そうなると、課題は意外にも円滑だったオペレーションではなく、ドリンクのメニューと味ということになる。個人的な好みかもしれないが、アイスコーヒーSサイズ・300円也は、氷ばかりで量が少なく、味は苦味はあるが風味に乏しい。氷がクラッシュアイスのため、さらにすぐに薄まってしまい300円の価値は感じられなかった。オペレーションの次には、ドリンクの商品力がどのように上がっていくのかも楽しみである。
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。