ここ数年来、夏、もしくは夏・冬の季節の風物詩ともいうべき存在になっていたものが、今年は姿を現さない。中元・歳暮ではない。「変わり種ペプシ」だ。その代わりに、期待を背負って登場したと思われるのが「ペプシドライ」である。
一方、ペプシドライを一度試した消費者からは、その新しい味に驚きつつ1本あたり100kcal強のカロリー数を気にする意見も散見される。その層はどうするのか。
当然、ペプシドライの開発においても人工甘味料の使用は試行されたはずだ。しかし、100kcalという犠牲を払っても「味の不自然さ」をなくし、新しい価値(ポジショニング)が際立つ商品を市場に出しておきたかったという意図なのではないだろうか。故に、あくまでペプシドライは100kcalを気にしない人をターゲットとして展開し、ヒットすれば継続販売し、次の段階で「人工甘味料の味がすることより、100kcalが気になる」という層、よりストイックなダイエッターなどを狙って「ペプシドライ・ダイエット」を展開しようという意図なのかもしれない。つまり、100万ケースという目標は、その試金石なのだ。
もう少し深読みもできる。日本オリジナル製品の変わり種ペプシは、米ペプシコとの調整と開発に18ヶ月かけると以前にメディアで報じられていた。そうすると、ペプシドライ・ダイエットはもうほとんど完成していて、先行商品であるペプシドライの売れ行きを見守っているのではないかとも考えられるのだ。
世界に先駆けて、日本の市場に新しい価値を投げかけたペプシドライ。その100万ケースの目標達成いかんで、さらにコーラ市場はオモシロイ展開が待ち受けているかもしれない。この動きは必見である。
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。