東京タワー。正式名称は「日本電波塔」。高さ333メートルの偉容を誇っていたが、634メートル・自立式電波塔として世界一位となったスカイツリーに、日本一の座も明け渡した。しかし、その後も存在感を示し続けるプロジェクトが進行しているという。
そうした数々の課題を解決するためには、東京タワーの新たなるポジショニングを固めることが求められる。スカイツリーに一位の座を明け渡した東京タワーは、このままだと人々にとって「昭和の郷愁」というような存在にしかならないだろう。そうではなく、東京タワーはやはり、「日本中の情報が集まってくる東京の、その中心にしっかりと建っている」「だからこそ、オモシロイ地方の情報やモノが次々と集まってくる」というパーセプションを獲得することが欠かせないのである。
東京タワーが「放送電波」ではなく「地方情報」を発信して、再び人気者になるための道は容易なものではないといえるだろう。しかし、「高さ日本一」などのように、何らかの勝ち得た名声・知名度だけで顧客を集めている企業は他にもあるはずだ。人ごとではないはずだ。
築き上げた名声はいつか奪われることもある。その時、新たなる魅力で再び輝くことができるのか否かは、たゆまぬ努力にかかっているといえるだろう。東京タワーの今後に注目だ。
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。