誰しも給料は多いにこしたことはない。しかし年収の多寡によって現職・現勤務会社のよしあしを判断することはできない。仕事を成し遂げたことによって得られる報酬には、お金以外にさまざまなものがある
私たちは、金銭的報酬以外に吟味すべきことがたくさんあります。そして優先順位を付けねばなりません。第一に考えるべきは、何といっても「仕事そのもの」です。そして、その周辺にはどんな「機会」があるかです。特に20代、30代前半は能力や人脈を蓄積することが決定的に重要になる時期です。より多くの「よい仕事機会」(=チャレンジングなプロジェクト)に加わっていくことが、確実なキャリアの発展回路をつくりだします。
もちろん、不当に安い給料で我慢することはありません。労働者の権利として正当な報酬は手にすべきです(従業員の経済的幸福を考えない会社、私欲に走る経営者は、早晩消えていきますが)。
真に満足でき、自分を開いてくれる職業人生のために、「まず年収額ありき」のキャリアではなく、「よい仕事機会」に恵まれるキャリアを意識してください。よい仕事機会には、よい人たちも集まってきます。そして価値ある仲間と、価値ある仕事をさせてもらい、さまざまに成長していく。そして気づいたら納得のいく年収が得られていた―――それで十分ではありませんか。
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2009.10.27
2008.09.26
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表
人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。