静岡で起きたパワハラ自殺に先日15日に司法判決初の労災が認められました。「上司の言葉が過重なストレスとなってうつ病となり、自殺した」と判断。ついで、99年に盛岡で自殺した会社員にも労災が認められ、「自殺は業務に起因したとみるのが相当」ということです。
そして、たたき上げで出世した熱血漢で自信家タイプの仕事人間上司が加害者になりやすいという調べもあります。
そう、自分が叩かれて出世成長したわけですから、部下にもそれを求めてしまう。それはそれで頷けます。
しかし、働き方や価値観、求められる能力が多様化した現在では、同じ人間ばかりがいたのでは会社の将来性はなく、あらゆる能力や性格の人が存在することが必要なのです。女性が増加してきたこともその一つですが、女性の部下の扱い方を分からない男性上司が走ってしまう行為がセクシャルハラスメントとして問題になっていることもパワハラのひとつの現象といえます。
ちなみに、パワハラの定義はというと下記のとおりです。
職権などのパワーを背景に本来の業務の範疇を超えて継続的に人格と尊厳を侵害する言動を行い、就業者の働く環境を悪化させる、または雇用不安を与えこと
そして、パワハラには下記の種類があります。
攻撃:肩を小突く 書類や物を投げる 机を叩きながら怒鳴る
否定:欠点をあげつらう 目の前でヒソヒソ話をする 意見を採用しない
強要:一方的に決め付ける 宴会などに引っ張りまわす
妨害:昇進の妨害 情報を与えない 周囲に無視するよう促す
ちなみに、パワハラに関する意識調査で職場内にパワハラがあると思うと答えた人は98%もいます。そして、パワハラで辞職を考えたことがある人はなんと81%でした。それを企業側で深刻な課題と考えている割合が94%。しかし、それに大して相談窓口をつくったりなんらかの対応をしている割合は28%ととても遅れているのです。
パワハラのような歪んだ人間関係は結果企業の生産性を低下させたり、人材を流出、訴訟にもつながっていきます。社員の痛みと同等の影響があるということです。
まずは、職場内でパワーをもった人が自分自身でその言動がどう相手に影響を及ぼすかを自分で気付くことが重要なのです。
何を言ったかと同時に相手がどう受けとめたかを客観的に捉えることが重要といえるでしょう。
そうそう、建設会社で長年働くお局と呼ばれる私の知り合いがこんなことを言っていました。
「そばに寄って来て叱られるのはかまわないけど、あのポマードの匂いと歯槽膿漏のような口臭だけは何とかして欲しい。あれこそパワハラだよ~」
そうです。これこそ自分を客観的に捉える努力をしていない証拠です。そんな上司殿、パワハラには十分気をつけた方がよさそうですね!!!
参考資料)
「パワーハラスメント 働きやすい職場づくりを目指して」
(日経VIDEO)
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2007.11.09
2009.10.04
株式会社パーソナルデザイン 代表取締役
「自分らしさをデザインする。」をコンセプトに、独自のパーソナルアイデンティティ分析を基に業界・業種・役職に合った「自分らしさ」をスタイリスト、ヘアデザイナー、ボイストレーナー、演出家ほか各種スペシャリストとともに演出をサポートしています。ビジネスパーソンのためのパーソナルプロデューサー、が肩書きです。