「震災後の消費」にどう対応するのか?:レナウンの事例に学ぶ

2011.04.12

営業・マーケティング

「震災後の消費」にどう対応するのか?:レナウンの事例に学ぶ

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

 東北関東大震災からちょうど1ヶ月が経った。テレビCMから花見までに広がる「自粛」。その後顕在化した福島第1原子力発電所事故の影響と、経済はマイナスのスパイラルに突入しているように見える。どこかに突破口を見つけなければならない。そのヒントを探ってみたい。

 同日の同紙にはもう1つ興味深い記事が掲載されている。クリーニング最大手の白洋舎の新サービスだ。記事タイトルには「衣料品、新品に近く 仕上げに専用加工材」とある。「“シャキッと加工”というワイシャツののり付けに近い加工だが、ごわごわせず、新品に近いしなやかな風合いを保てるのが特徴で、立体感のある仕上がりになる」と記事にある。通常のクリーニング代の5割増しで利用できるという。
 「新品の服」というウォンツには、「人にパリッとした印象を与えたい」というニーズが多分に含まれる。不景気で衣料品に対する支出が低迷しているのを、クリーニング業界の白洋舎は商機と見て消費者のニーズに応えられる新サービスを繰り出したのだと考えられる。

 震災の影響は経済と消費者の生活に対して大きな影響を与えている。そして、それは今後も拡大するかもしれない。
同日・同紙のコラム「底流を読む」には、次のような一節が掲載された。
「震災後に待ち受ける日本経済の新しい現実はどのような姿か。輸出減→円安→原料高に拍車→企業収益圧迫→株安→景気悪化など、マイナス材料に満ちた“現実”を想定すると何もできなくなる」。
 マクロな視点で考えれば、確かに目を覆い、縮こまりたくなる現実が目の前にある。しかし、身をすくめたその足下を見れば、「生き残りのヒント」を見つけることもできる。ミクロな視点で「できること」を考えることが重要なのだ。そして、その起点は、やはり「顧客」とその「ニーズ」にあるのではないだろうか。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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