2011.04.11
放射線の注意事項を保護者向けにわかりやすく~郡山市の実例より
寺西 隆行
(株)Z会
放射線や放射能物質について「正確な知識」も大切なのですが、「ほぼ正確な概要」を知りたいのも人間心理ですよね。 そこで、被災地、福島県の小学校の先生が、保護者向けに、真摯に、かつわかりやすく説明した内容を紹介いたします。 多くの小学生の保護者の方に参考になる内容です。坂内先生の思いも込めて、お届けいたします。
また放射性物質は、テレビでよく報道されるヨウ素131のように放射能を出す物質です。目に見えないくらい小さな「粒」だと考えるとよいです。放射線は一度の光ですから、レントゲンやCTなどを行っても体に残ることはありません。しかし、放射性物質は、体に取り込まれると体にある限りはずっと放射線を出し続けます。ちなみにプルトニウムは「紙一枚で防げる」と言いますが、プルトニウムが体内に取り込まれると、プルトニウムが放射するα線(放射線の一種)が、体内の細胞を傷つけることになり、危険ですので、プルトニウムを体内に取り込まないよう注意してください。
○ 放射線はできるだけ浴びない方がよいです。
当たり前ですが放射線はできるだけ浴びない方がよいです。特に子どもならできるだけ浴びない方がよいに決まっています。今、国では基準を年間20mシーベルトに引き上げるように考えているようですが、これまでも放射線を扱う大人の男性でも最大10mシーベルトですから、子どもは年間累積で1mシーベルトに抑えるべきです。4月8日現在で、赤木小学校の教室の中は最大0.2μシーベルトですから、ここに24時間、 365日いるとすれば、1.752mシーベルトです。放射線はどんどん弱まっていきますから、今後何もなければ1mシーベルトを下回ります。ただ、外は今も2μシーベルトはありますので、長時間外にでることは避けなければなりません。
○ 大事なのはできるだけ体に入れないこと
最初に言ったように放射線と放射性物質は違います。外から浴びるのは体を突き抜けて行くだけです。しかし、体内に取り込まれると排出されるまでずっと放射線を直に浴びることになります。放射性物質は今は地面に多く降り積もっています。ですから砂遊びや校庭で運動をすると体に大量に取り込まれてしまう危険があります。学校では、放射性物質の量が十分に減るまで、校庭での外遊びや体育はやらないことになりました。保護者のみなさんも当面はお子様を外遊びさせないようにしてください。放射性物質は次第に弱まったり、雨に流されたりしますのでどんどん減っていきます。しかし、今はまだ弱いとは言えないレベルです。
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○ 大事なのはできるだけ体に入れないこと その2
よくテレビで「除染」という言葉を聞きました。放射性物質は洗うことで落とすこともできます。ほこりのようなものだと考えてよいと思います。ですから外に出るときにはマスクをして、ほこりのはらえるような外着を着たり、帽子をかぶったりすることが大事です。玄関先でよくはらうことで室内に取り込まないことも大事です。また地面には大量の放射性物質がありますので、靴についた砂などは、よくはらっておくとよいと思います。
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