某駅前に陣取って15年。2人の弟子を従えた「靴磨き職人」から含蓄のある話を聞いた。
職人ならずとも、すべてのビジネスを営む人に学んで欲しいのは、靴磨き職人が「一期一会ではダメ」と言うポリシーだ。
顧客を離れられなくするには、顧客のココロの中を洞察する「カスタマーインサイト」が欠かせない。
そのためには、まず、「顧客がどのような存在なのかを正しく認識すること」から始まる。靴磨き職人が、客の靴が今までどのような人が、どのような手入れをしてきていて、現在どのような状態にあるかを見極めるのと同じだ。
次に、「顧客にとっての利便性を提供すること」だ。手間の軽減という、わかりやすく目に見える効果は顧客の満足度を向上するためには欠かせない。靴職人は「固く絞ったタオルで拭くだけで日々の手入れはOK」という利便性を提供している。
最後に重要なのは、「顧客に“やっぱりこれでよかったんだ!”と思わせること」である。そのために、靴職人は長期間にわたって客の靴をどう仕上げるかを考え、最適な状態を保てるようにしている。
「顧客は靴を磨いて欲しいのではない。ピカピカの靴をはいていたいのである」。
マーケティングの基本の基である「ニーズとウォンツ」の関係を表す言葉、「顧客はドリルが欲しいのではない。穴を開けたいのだ」と同じ。本質的なニーズに応えているのである。
あなたのビジネスは、顧客を「空が映る」までに磨き込み、輝きを放ち続けるようにできているだろうか?
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。