マーケティング屋のはしくれにもできること

2011.03.15

営業・マーケティング

マーケティング屋のはしくれにもできること

猪口 真
株式会社パトス 代表取締役

普段はマーケティング屋のはしくれとして企業の販売支援の仕事をしている身として、何ができるのだろうか。

今回の大地震、被災された皆さまに心からお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。
また、現時点で救助を待たれている方々に一刻も早い救助が届くことを心から願っています。

この地震と津波という自然の力のすさまじさに本当に言葉が出ないが、「私たちにできること」を叫ぶ人たちが増え、着実に支援の輪が広がっていることは、支援に向けた日本人の優しさ、強さ、素晴らしさを確実に物語っている。

しかし、自己判断によるボランティアが逆に邪魔になってしまうことや、行き過ぎた自粛はむしろマイナスになることもあり、支援には正しい判断と行動が必要となっている。

さてそんな中、普段はマーケティング屋のはしくれとして企業の販売支援の仕事をしている身として何ができるのだろうか。
「不謹慎」と言われることを恐れ、普段の仕事の話をはばかる人も多く、「今すべきことは何か」を迷う人は多いだろうし、私もその中の一人だった。

Twitterやメールによる今回の一連の情報収集の中で、これからの行動基準にしていこうと思った言葉がふたつある。
ひとつは、佐々木俊尚さんがTwitterで語った「自粛なんてとんでもない!元気な人は、働きましょう。消費しましょう。稼ぎましょう。寄付しましょう。ここから、長い道のりになります。日本を止めてはいけない」という言葉。
そしてもうひとつは、ソーシャル活動をリードされている竹井善昭さんからのメール「緊急支援は自衛隊などプロの仕事です。僕らにできることは復興支援であります」というメッセージ。

マーケティングに少しでも携わる人なら勇気をもらう言葉だろう。これまでの情報収集や知識の蓄積によって、多少なりとも我々には、魅力的な消費についての情報はある。自信を持って、消費をリードすることは我々の役割として行わなければならないことだろう。(もちろんスーパーの食品やガソリンを買い占めることではない)

また、なんといっても大きな寄付や救援物資を送ることができるのは企業だ。
そうした企業に向けた販売プランを提案できるのも、我々の強みかもしれない。コーズ・リレイテッドだろうがエシカルだろうがかまわないが、少しでも多くの消費者からのお金が企業のサービスを通して被災地に届けられるような販売策を企画し、告知をサポートすることも我々の役割のひとつであることは間違いない。

さらに、我々には、多少なりとも人脈や人間関係がある。その人脈を生かし、実際に支援活動に参加することもできるだろう。
現在さまざまなところで良識ある人たち、NPO団体などが、これからの支援活動への参加を呼びかけ、自治体や公的機関と連携をとった支援活動に参加できる人を募集している。
イベントの企画や運営をはじめとした支援活動にはプロの力が必要だ。そうした団体に協力し、プロとしての力を提供することができれば、お互いがハッピーになれるだろう。
まさに本物のプロボノとしての活動だ。

これらを肝に銘じて活動していきたい。

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