エコオヤジはイケイケの夢を見るか?:バブル20年調査から

2011.03.10

ライフ・ソーシャル

エコオヤジはイケイケの夢を見るか?:バブル20年調査から

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

 「そうか、もう20年も経つのか・・・。」 ある調査のリリースを見て、つい遠い目をしてしまうのは、筆者自身が世代だからだ。「バブル世代の実態を調査」したという。

「バブル終焉から20年 バブル世代の実態を調査」
トヨタマーケティングジャパン・三菱総合研究所
・調査概要版→ http://tinyurl.com/4r98bru
・詳細版(PDF)→ http://tinyurl.com/4fpwoks

 バブル崩壊は91年だが、その後2年ぐらいは世の中もコトの重大さに気付かずに過ごした。しかし、93年から不景気が本格化し、いわゆる「失われた10年」に突入する。就職氷河期、リストラ、企業の不良資産の山・・・。
むべなるかな、確かにオレらはイケイケだったよ。仕事も遊びも。だが、世は移ろい、「バブリー」といわれ、「イケイケ」と呼ばれ、いわゆる「バブル世代」に吹く風は強く冷たかった。バブル戦犯。バブルパージ。リストラリストの筆頭候補。ところがあれから20年。どっこい、バブル世代はネガティブなキモチで生きているわけではなかったようだ。

-------------------<概要版より引用>--------------------
分析の結果、このバブル世代の多数を占めたのは、情報を主体的に選別し、知的で思慮深い生活をしたいと考える「主体的インテリジェンス生活志向型」と、経済的・人間関係的に安定して生活をしたいと考える「安定生活志向型」の2タイプであることが明らかになりました。なかでも「主体的インテリジェンス生活志向型」は、一般的に浸透している「バブル世代」のややネガティブなイメージと大きく異なる姿が浮かび上がったため、今回特にこのタイプに注目し、詳しい分析を行いました。
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PDFの詳細版を見ると、「主体的インテリジェンス生活志向型」は世代の25.6%を占めているが、さらに理想像、つまり「ありたい自分の姿」を含めると、約4割がポジティブシンキングで生き延びている。何というたくましさだ。同世代ながら、その厚かましいまでの根性に驚きと拍手である。
 その根性の源泉はどこにあるのか、社会学の専門家が分析をしている。

-------------------<概要版より引用>--------------------
中央大学文学部 山田昌弘教授(社会学)は、「主体的インテリジェンス生活志向型は、若い頃にバブル期を過ごしたことで、ポジティブ思考の傾向があり、コミュニケーション力が高く、主体的に新しいことに挑戦するバイタリティ(=イケイケ)をもともと持っています。さらに、情報収集や時代の空気を読むことも得意だったため、時代が大きく変わった現在では、周囲や環境への社会的配慮ができる、きわめて現代的な “エコ意識”も持ち合わせているようです。つまり、20年前の“イケイケ”が、今では“エコイケ”に変化したといえるのではないでしょうか」と考察しました。
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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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