大阪商人の基本の基本「始末の精神」を地で行く「アカムラサキの酒かすロール」。ケチではなく始末を重んじる精神が今求められている。
われわれのビジネスに目を向けても、昨今のものが売れない時期においていろいろなマーケティング施策をとることが多いが、大半は思ったような成果があがらず、すぐにまた「次は?」「次は?」と小手先の展開に走ってしまう。中途半端な施策は、さらに成功の確率も落ち、打ち手ばかりが増えることによって組織の中で無駄、ダブりも増えていく。
ろくな反省と分析もないままの展開は、まさに「始末」がとれていない状態といえ、このような状況は、多くの企業で続いている。
また、本来の循環型社会というのもこの「始末」の精神の表れだろう。かつて江戸時代の社会インフラは、究極の循環型社会であったという。下水の処理から肥料としての利用、昭和初期まであったと言われ、余った糸などを扱う京都の「にばんや」など、物を捨てない循環型社会が江戸時代には存在していたと説く人は多い。
間もなく2010年度の決算を迎え、4月から新たな局面に入る企業も少なくない。昨年に比べれば、好決算の声を聞く企業も多いが、その多くはコストの削減や効率化、いわゆる「始末」で利益を出すことに成功した企業も少なくないだろう。
戦略の立案時の計画と結果をきちんと合わせること、そこに一切の無駄を入れないこと。この始末の精神を持って、2011年度は確実に駆け抜けたいものだ。
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