お酒について言えば、昨年(2010年)は「ハイボール(ウイスキー)」の年でしたね。
ハイボールブームが頂点に達し、凋落を続けてきたウイスキーの消費量に歯止めがかかりました。最近は、わざわざ作らなくても、すぐに飲める「缶入りハイボール」が好調に売れており、今年も引き続きハイボール人気が続きそうです。
そして、今年の注目株はおそらく「マッコリ」。
従来、韓国料理店など限られた場所でしか飲めなかったマッコリですが、昨年、酒販店やネットで気軽に買えるようになったおかげで、消費量が一気に拡大しつつあります。
マッコリは日本ではある意味、「新しいお酒」ですね。韓国では「男性労働者のお酒」というイメージが強いのですが、日本では、マッコリの名前くらいは皆知っていても、そこから連想されるイメージが希薄なのを逆手に取り、「女性向けのおしゃれなお酒」というブランドイメージの確立に成功しつつあります。おかげで、女子を取り込みたい居酒屋等での扱いも増えています。
しかも、業界大手のサントリーも3月22日に、微炭酸の缶マッコリ「ソウルマッコリ」を掲げてマッコリ市場に本格参入。というわけで、今年、「マッコリブーム」が起きる可能性は非常に高いのではないかと思います。
こんな中、相変わらずの消費低迷に苦しんでいるのが日本酒です。
海外では、和食ブームとともに日本酒も大人気です。「日本酒ブーム」とも呼べる状況であり、日本酒の輸出は過去最高になった模様です。
しかし、日本国内では完全に「通」のためのお酒。高品質・高価格のプレミアム系日本酒はそれなりに売れているものの、日本酒全体の消費量の減少は悲惨なものがあります。実際、日本酒の国内消費量は、1995年度が126万キロリットル、2008年度は62万キロリットルと半減しています。ここ数年も、引き続き減少しているのは間違いないでしょう。
さて、きちんと調査をしたわけではないので「仮説」の領域を出ませんが、日本酒が抱えている問題は、かってのウイスキーとほぼ同じと考えられます。
すなわち、以下の3つの問題点です。
(1)飲みにくい(ウイスキーほどでないにしてもアルコール度数高め)
(2)食事に合わない(和食には合うが、洋食にはNG)
(3)おじんのイメージ
ウイスキー業界では長年、ウイスキーの「品質」や「味わい」を中心に訴求してきました。しかし、それは、ウイスキーの既存飲用者にとっては「当たり前」のことであり、一方で、若年層を中心とする非飲用者には響かなかった。このため、プレミアム系のお酒は根強い人気があったもののウイスキー市場全体の縮小をくい止めることはできなかったのです。
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2011.09.16
2012.10.26
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。