「衰退が止まらない」といわれたファミリーレストランが復活しはじめているようだ。そのワケは何だろうか?
ポジショニングが活きるのは、それを評価するターゲットとその背景があるということだ。記事には「支出抑制のために家庭で食事をする“内食”志向は根強いものの、家族連れを中心に“たまには外食を”という意識も広がっている」とある。見出しにも「節約疲れ?客足回復の兆し」とある。
先に挙げた主婦のコメントでは、家族の外食は「焼き肉と回転ずし」だったという。その両メニューはどのように変化しているのか。
焼き肉は内食で代替できる。秘伝のたれやホルモン系に期待しなければ、家庭のホットプレートでも十分だ。内食志向が強まれば、代替される。
内食と外食以外には「中食」がある。従来の「出前」に代わるものとして「デリバリー」が伸びてきている。家では作れない。買いにいく手間も、外食に行く身支度の必要もないと人気を博しているのだ。そのメニューの一つが「宅配ずし」だ。子どもに無制限に食べられてしまうというリスクも低減できる。
すると、内食、中食、その他の外食というファミレスの競合となる存在が、まだすくい取れていないターゲットのニーズは何だろうか。それが、「家庭で作るのが面倒なメニューや、ローカロリーなメニューを手軽な価格で食べられる」というものだ。
業界の中で「負け組」の烙印を押され、客離れも激しかったファミレスが復活を始めている。それは、明けない夜はなく、止まない雨はないという事例となるだろう。しかし、そのためには自社の内部要因を見直し、外部環境と競合の動きに目を光らせ、顧客とそのニーズを充足するポジショニングを実現することが欠かせないことがわかるだろう。
※今回の使用フレームワーク:バリューチェーン→ポジショニング→KBF→ターゲティング→3C
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。