紳士服チェーンの青山商事が「自転車通勤向けスーツ」を発売した。その狙いは何だろうか?
青山の自転車通勤スーツの眼目は、そのターゲット設定とKBF(Key Buying Factor=購入決定要因)のとらえ方、そしてそこから抽出されたポジショニングにある。
フルオーダーのスーツなら、テーラーに「自転車にも乗れるくらいカラダを動かしやすいスーツに仕上げて欲しい」と注文すれば、それを叶えてくれる。しかし、値段はバカ高い。吊し(既製服)のスーツも着心地と価格は比較的相対的だが、カラダを動かすという目的には特化していない。ましてや自転車には。つまり、「多少高めの価格だが、カラダを動かすことにかけては抜群」というポジションを示し、その価値を感じるターゲットのココロをバッチリとつかむ戦略なのである。
ジテツウの広がりという外部環境を活かし、自転車ツーキニストとその周辺ターゲットのニーズを見定めて、「キャラ立ち」した商品を示し買う気にさせるという見本になる展開。は、万人受けする商品を安価に大量販売すると思われがちな紳士服チェーンから学ぶところは大きいだろう。
※今回の使用フレームワーク:PEST→4P(Product・Price)→3C(Competitor)→Targeting→KBF→Positioning
※自転車通勤に興味を持った方はこちらの記事をどうぞ→「明日から始める!初めての自転車通勤」(Kanamori Marketing Office・Business Media誠)
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
-
会員登録 (無料)
-
ログインはこちら
関連記事
2015.07.10
2015.07.24
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。
