節約志向が高まる中、安さを求めて中古品の購入が活況だが、一方で中古でも購入後保証サービスを重視する消費者が増えているという。そのワケを考察すると、思わぬビジネスチャンスが見えてくる。
企業が顧客との関係性によって収益を得られるポイントは5つある。
まずは、何かのきっかけで商品を購入しようと思った時点だ。何らかの「ライフステージ」の変化の時点である。そこでレレバントを感じさせ、顧客化する。そして、整備や点検・修理といったサービスで顧客を囲い込みつつ、サービスの提供料で収益を得る。「アフターマーケティング」である。さらに、囲い込むことで、顧客に同種の商品を買い増しさせたり、買い換えさせたりといった働きかけをする。「アップセリング」である。また、購入した商品と関連した商品を追加購入させる「クロスセリング」を展開して、さらなる収益化を目指すのである。最終的には、レレバントを感じるレベルの関係から、顧客が企業のファンになってくれるまで関係性(リレーションシップ)を深めさせ、本来多額のコストがかかる新規顧客の獲得を、顧客による友人・知人という「顧客紹介」を実現させる。
「失われた20年」の間に市場の伸びの鈍化は恒常化し、人口縮小などによって今後、縮小に向かう。また、消費者に定着した節約志向とエコ意識は、安易な新品購入と使い捨てという文化を書き換えている。中古品販売における顧客との関係構築は、新品販売においても学ぶところが大きいだろう。
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。