大手化粧品メーカーを尻目に「ロクシタン」は順調に売上げを伸ばす。製造からマーケティングまで一貫した「トゥルーストーリー」で世界に挑む。
こうした提案は、ユニークな流通ルートの開拓にもつながっている。
ロクシタンの持つストーリー性は、南仏のリゾート感覚とともに、ANA、JALでの機内販売、そしてフォーシーズンズホテル椿山荘、ホテルニューオータニ、シギラ ベイサイドスイートなど高級ホテルで、”お客様にプロヴァンスの快適をお届けする”ことをコンセプトに、ホテルの客室用アメニティの提供までを可能にした。
一貫したストーリー提案が、さまざまなプロモーション施策や流通チャネル開発を有機的にリンクさせたこの見事なマーケティング戦略は、高い利益率にも表れている。売上げ規模では同等のザ・ボディショップと比較しても、利益率は倍以上だ。
昨年秋に発売を開始したメンズ向け商品「ヴェルドン」も好調だという。
男性に特化したラインとした初の試みだが、女性向けの「南仏プロヴァンス」ではなく、「フランスのグランドキャニオン」とも呼ばれるヴェルドン渓谷から採用されたネーミングどおり、自然でシンプルさが売りだ。
こちらは幅広い認知を図るために、通常の店舗プロモーション、DMに加え、新聞広告も積極的に採用した。
しかしここはロクシタンらしく、佐藤隆太、遠藤保仁、藤代冥砂、別所哲也、飯沼誠司と、各界で活躍する個性的な5人の男性が、自らの人生観とヴェルドンの使用感についても語るという広告内容となった。
朝日新聞公告局「広告月報」でのインタビュー記事によると、ユーザーは30歳代、40歳代にとどまらず、50歳代、60歳代にも広がっていると言う。ヴェルドンの打ち出す世界観は確実にユーザーに届いているようだ。
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