マーケティングのキモは、「未充足ニーズを発見して、充足させるしくみを作ること」でもあるが、言うは易く行うは難し。まず、発見することが難しい。そして、それが顕在化したとしても、継続的に提供するしくみ化することが難しいのだ。
ドラマでも実際の人生でも、人と人の「すれ違い」は悲しい。ましてや心と心のすれ違いは。しかし、「ニーズのすれ違い」がどこかに転がっていないか、世の中をつぶさに観察して、それを発見することができれば商機とすることができるはずだ。
1面にある「外食『お届け』に走る」という大きな見出しで掲載された記事。メインはマクドナルドが開始したデリバリーの話題である。マクドナルドのデリバリーも、実験的に展開した結果見えてきた「すれ違い」があったようだ。注文が多数寄せられた「職域」からの注文であったという。特に「自動車販売店の接客担当者や病院の看護師など、昼間に外出しにくい職場の人たちが何人かまとまって注文したようだ」と記事にある。マクドナルドは「顧客を増やしたい」。しかし、一部の職業の人々は「マクドナルドに行きたいけど行けない」という「すれ違い」があった。それをつないだのが宅配だったのだ。
ラジオドラマ「君の名は」の冒頭に流れるのは、「忘却とは忘れ去ることなり。忘れ得ずして忘却を誓う心の悲しさよ」というフレーズだったという。
「すれ違い探し」だけは、ビジネスチャンスの発見のためにも、日頃から忘却することなくアタマの中に入れておきたい。
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。