2010.12.29
ソーシャルな時代に大切な姿勢~「先意承問 和顔愛語」
寺西 隆行
(株)Z会
2010年、webの世界では「ソーシャルメディア」という言葉が騒がれ、多くの人・企業がその活用法を見つけようとしました。 僕自身「ソーシャルメディア」の運用者として何度もメディアに出させていただきましたが…正直そんなに特別なことをしているつもりはありません。 取り組む姿勢だけの問題です。それが「先意承問 和顔愛語」。
ちょっとした「先意承問」で、お互いの関係がよくなる。そのことは仕事の生産性に直結しますよね。
僕のようにwebに携わることが多い人間であればなおさら、システム課の方の労働効率が(結果として)向上することは、自らの仕事の生産性をあげることにつながります。システム担当あってのweb担ですから。
しかし、こんな自分の行為など些細なことです。紹介したい方に比べれば…
紹介したい方。絵本作家で、グリーフケアにも力を入れられている入江杏さん。
http://www.sbrain.co.jp/keyperson/K-6720.htm
最近新たにメディアにもいろいろ記事が掲載されていた世田谷一家殺害事件(世田谷事件)、被害者のお姉さまにあたり、本サイトでも何度か取り上げている方です。
なんで今回取り上げたいと思ったか。それは、自らが被害者遺族であり、辛い立場に立たされながら…いや、辛い立場に立たされた「からこそ」が彼女の想いでしょうが…「先意承問」が最も必要とされる、「グリーフケア」に携わっているからです。
グリーフケアとは、両親や恋人、愛する伴侶といった身近な人の死から立ち直ることができなくなった人をケアしようという活動のこと(Yahoo辞書より)。
犯罪の被害者の遺族になった、その気持ち…
ちょっと思いに耽ってみてください。
その立場に立たされ、かつ、だからこそ「グリーフケア」には自ら取り組まなければいけないんだ、と想った勇気、覚悟、真摯で誠実さ、そして行動。
「先意承問」の気持ちがなければ決してできないことです。
入江さんには何度かお会いしたことがあるのですが、悲壮感は微塵も感じられません。
事件の風化を阻止するために、先日(10日)マイクを取った息子さん(日経新聞夕刊12月27日の記事より)も、笑顔が素敵な方です。
生きていることの素晴らしさを全身で表現されている、ほんとうに素晴らしいお二人なんです。
以上、2つのことを書かせていただきました。
そしてタイトルには「先意承問」を先にもってきました。
僕が「にこっ」となれるのは、先方の意図を(先んじて)承り問いただした行為が相手にも喜ばれたときに出る笑顔だからです。
そしてそのときに発する言葉が「柔らかい言葉」だからです。
表面的な笑顔、ではなくて。おべんちゃらでもなくて。
今年1年、「ソーシャルメディアのうまく活用している人」として、ありがたいことにメディアにかなり取り上げられましたし、メールや電話でのお問い合わせ・取材もいろいろ受けました。
でも、僕は、「特別な上手いやり方」なんて知りません。ほんとうに。
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