中高年を支えるコンビ二。若者の集客に必死の百貨店

2010.12.28

営業・マーケティング

中高年を支えるコンビ二。若者の集客に必死の百貨店

猪口 真
株式会社パトス 代表取締役

「小売」と「消費者」の関係が大きく変革している。 百貨店は男性(特に若い層)の取り込みに躍起になり、コンビ二は中高年にターゲットを移す。そしてネットショッピングの浸透が止まらない。

中高年といえば、「健康」志向だが、この健康に着目しているのがローソン。
8月に、調剤薬局を併設した店舗をいくつかオープンした。いつも寄る店舗に調剤薬局が併設しているだけで便利だし、薬のついで買い効果も少なくないだろう、一般医薬品の販売においても、マツモトキヨシと提携し、出店している。

ファミリーマートには、「おとなコンビニ研究所」という中高年のライフスタイルを研究し、積極的な商品提案を行っていく組織が設立されている。所長に残間里江子氏を起用し。中高年の新たなライフスタイルを創造し提案していくという。
同社としても、客単価も高く、ふところ具合も豊かである中高年の顧客比率を積極的に高めていきたい戦略なのだろう。
CMにもそうした戦略は表れており、完全にかつてのコンビ二のイメージとは異なる訴求だ。

これらを見てもわかるように、コンビニは生活に密着し、より良質で便利な生活提案をし続けている。決して催事やイベント、セールによって売り上げを伸ばそうとしているのではない。
従来なら、前述したように百貨店がそうした役割を担っていたのだが、どうやらそうした立場は逆転し、むしろ百貨店が催事やイベント、一瞬のトレンドの取り込みに精を出す。

少なくとも私が百貨店でものを購入することは、違うところに意味がある。
今秋リニューアルされた、銀座三越のレストランフロア「GINZA DINING」が評価されるのは、関東ではなかなか味わうことのできなかった「食スタイル」の提案ゆえだ。
安売りの外資小売店といっしょに集客にいそしむのもいいが、百貨店から商品を購入するという意味を今一度つくりあげてほしいと望むのは私だけではないだろう。

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