スキャンダル、悪口、揶揄…そんなものばかり取り上げて、語って、どうするんでしょうか。 また、「いわゆる耳にいい活動」ばかり取り上げて、語って、どうするんでしょうか。 これからは正義の話をしよう。 そんな社会がきっとハッピーだから。
この事実、「そんなん誰だって知ってるよ」と思っている方も、このサイトの読者では多いでしょう。
だからかもしれませんが、メディアで語られることはほとんどありません。
でも、地方の人、そして、10代の若者は、ほとんど知らない事実だと思います。
自分が子どもなら、純粋な疑問として持ちませんか?
「そんな労働環境を社会で許容していてほんとにいいの?」と。
「官僚の人がもっと楽になるようになんとかできないの?」と。
しかし、語られない。
だから地方の親にはいまだに「公務員になるのが(安定し、定時に近い時間で帰れて)子どもの幸せ」と思っている方相当数いらっしゃると思います。その最高峰である官僚になれば最高に幸せ、と。
僕の母親も、そう信じて止まない人間でした、僕がいくら官僚の労働環境を伝えても。
自分の価値基準~地方公務員の安定性で、よりスケールの大きいことができるのが、官僚だ~から外れることが決してなくて。
その一方で、官僚パッシングだけはすぐにメディアに掲載されるため、「官僚の人がもっと楽になるようになんとかできないの?」という世論が形成されることは、今の日本では決してありません。
※不思議なことにこれだけパッシングされても、親は(子どもの職業としての)公務員に抵抗を覚えず、「安定」重視の心境になるようですね。
話を戻すと、官僚の頑張っている部分や「実態」、もっとメディアに溢れてもいいと思うんです。
しかしほとんど見かけることはありません。
そして、稀に、このような実態が語られる時は、「自身の自慢」「愚痴」「体制への批判」…などを伴って語られることが多いような気がします。
本著の文章からはそんな「ヤな感じ」を受けることはありません。
淡々と、ただ淡々と、事実を堂々としるし、かつ、素人でも読みやすいようにポップなテンポで語られている。ここにものすごく共感したんですね、「この本はきっと良い本だ!」と。
この後、樋渡啓祐氏の沖縄、大阪での奮闘から、最初の市長選挙に選ばれるまでが前半。
後半は、武雄市の市民病院の民間移譲を巡る、医師会とのやり取りに割かれています。
とくに後半。これは、若い人に是非読んでいただきたいんです。既得権益を守ろうとする人間の性と、その帰結として導かれる哀れなさまについていろいろ書かれており、今までのやり方を踏襲するだけではとても幸せはつかめない今の日本、若い人自ら幸せをつかむのに必要なことが、感覚としてつかめますので。
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