カシオは「美肌ジブン撮りカメラ」と称し、EX-Z800の販促キャンペーンを行った。 まさにセオリーとも言えるマーケティング施策はどのような結果をもたらすか。
そして今回キャンペーンを行ったカシオは、平成23年3月期第2四半期の売り上げ高は前年同期比10.6%ながら、営業利益は52億と前年の149億の損失に比べて大幅に改善している。セグメント別でも、損失を出しているのはシステム部門であり、コンシューマー部門は健闘している。
とはいえ、「EXILIM EX-Z3」が機種別国内販売台数でトップだったころやBCNランキングでキャノンとほとんど変わらなかった2010年1月ごろの勢いはない。
こうしたまさに混沌とした状況の中で、カシオのセオリーどおりのマーケティングはどのような結果をもたらすのだろうか。
従来のマーケティングセオリーが効かなくなったという声は今でも相変わらず多い。必需品と呼ばれるものはすでに行きわたり、「モノ」自体の機能によるヒット商品を出し続けることは至難の技だからだ。どこでもAppleのように商品開発をしたり、Googleのように話題の会社を買収できたりするわけではない。
おまけにメーカーや小売が「差別化」と呼ぶ内容は、ユーザーにとってすでに意味を持たないものが大半だ。
それどころか、ユーザーにあえて負荷をかけるような手法が大当たりすることも少なくないし、逆に手取り足取りのサービスが見向きもされないこともある。
マーケティング施策の企画や運営、意思決定に携わる人たちにとっては受難とも言える時代だが、私を含めてこのカシオが展開した「美肌ジブン撮りカメラ」の成功を祈る人たちは少なくないだろう。好みの問題といえばそれまでだし、少し古いのかもしれないが、ぜひとも成功してほしい企画モデルのひとつだ。
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