組織風土を大切に考えるとき、最も使えるものは何か。クレドを作って配布しても、効果がないのはなぜか。
ビジョンもいい、理念や行動規範の存在もいいと思いますが、創業者や苦労の末に危機を乗り切り、チャンスをものにして会社を形作ってきた人達の、心と頭の奥底が伝わる昔話や伝説を大切にしている会社こそ、本当に強い組織になれるのではないかと考えます。
昔話や伝説の意味するところはこういうことだよね、といって綺麗にまとめた結果を配っても、それが人々の心を動かし、言動に影響を与えるかどうか。先輩達から沢山の「物語」を聞かされてきたことによって、自分の属する組織に相応しい考え方や言動を考え、理解してきたことを思えば、クレドなどを作るよりも物語を語る場を作り、物語を伝えていくことに腐心すべきではないだろうか。研修でも汎用的なケーススタディではなくて、自社にある物語をケースとして用いればよいはず。変化することが必要な時代、グローバル化が進展していく時代に昔話など逆効果だという見方もあるでしょうが、変わらずに大切にすべきものはあるはずです。
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2011.12.14
2012.05.14
NPO法人・老いの工学研究所 理事長
高齢期の心身の健康や幸福感に関する研究者。暮らす環境や生活スタイルに焦点を当て、単なる体の健康だけでなく、暮らし全体、人生全体という広い視野から、ポジティブになれるたくさんのエビデンスとともに、高齢者にエールを送る講演を行っています。