『プラットフォーム戦略』

2010.08.07

ライフ・ソーシャル

『プラットフォーム戦略』

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

今日は、ブランド関連本ではありません。 ビジネスブックマラソンの土井英司さんも大絶賛している 最新刊をご紹介します。 『プラットフォーム戦略』 (平野敦士カール、アンドレイ・ハギウ著、東洋経済新報社)

ビジネスパーソンが集まる「勉強会」もまた、プラットフォームと言えますが、例えば、参加者の誰かが、「高額で怪しげな壺」のセールスを受けたら、会自体の信頼性も低下してしまいます。

ですから、プラットフォームの主宰者は、ルールや規範を作り、プラットフォームの持つ特徴と集まっているグループのクオリティを一定の水準に維持することが必要なのです。

さらに本書では、プラットフォームを構築する手順を9つのステップで説明しています。

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step1 事業ドメインを決定する-社会の変化、ライフスタイルの変化という大きな流れをとらえる

step2 ターゲットとなるグループを特定する

step3 プラットフォーム上のグループが活発に交流する仕組みを作る

step4 キラーコンテンツ、バンドリングサービスを用意する

step5 価格戦略、ビジネスモデルを構築する

step6 価格以外の魅力をグループに提供する

step7 プラットフォーム上のルールを制定し、管理する

step8 独占禁止法などの政府の規制・指導、特許侵害などに注意を払う

step9 つねに「進化」するための戦略を作る

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プラットフォームには負の側面もあります。

プラットフォームの主宰者(プラットフォーマー)は、勝ち組になると次第に横暴になっていく傾向があるのです。筆者は、「プラットフォームの横暴」の典型的なパターンとして以下を挙げています。

1.利用料の値上げリスク
2.プラットフォーマーによる垂直統合リスク
3.プラットフォーマーが顧客との関係を弱体化させるリスク

本書は、読書に慣れている方なら、1時間足らずで読めるボリュームながら、
プラットフォーム戦略の理論と実践が実にわかりやすく、凝縮されて語られています。

今後、多くの企業は、自らがプラットフォーマーとなって、「場づくり」に取り組むか、またはプラットフォームのメンバーとなるかのどちらかによって、生き残りを模索していくことになるでしょう。

ビジネスパーソンには見逃せない一冊と言えるのではないかと思います。

『プラットフォーム戦略』
(平野敦士カール、アンドレイ・ハギウ著、東洋経済新報社)

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有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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