「その件は近いうちに」とか「すぐに処理します」等々。期日や時間に関 して無意識のうちにあいまい言葉を使っているケースが意外に多い。文化 を共有する社内の人間を相手にする場合ならさして問題にはならないが、 社外の人に使うときには要注意だ.
近いうちは1ヶ月以内。朝イチなら8時前シチズン時計が実施した『時感
(時間感覚)』調査の結果である(→ http://www.citizen.co.jp/research/
time/20060531/01.htmll)。
「近いうち」のあとには「メシでも」とつながることも多い。いわゆる
「近メシ」である。このところ、人と外で会う機会がトンと減っているか
ら、こんな言葉を口にすることはないのだけれど、大昔サラリーマンをし
てたころには上司や得意先からよくいわれた。
その頃のことを思い返せば「近いうちにメシでも行こか」と誘ってもらっ
て、実際に行ったことはほとんどなかったはずだ。要するにこれはとても
使い勝手のよい一種の社交辞令みたいなものなのだろう。(とはいえ女の
子にを相手に自分から近メシアプローチした時には、たいがい次の日ぐら
いには実行してたから、近いうちがどれぐらい先を指すのか、またその確
度がどの程度のものなのかは、相手によるのかもしれない)。
朝イチについても、おそらくは大いに誤解が生まれがちなところだろう。
私の場合は個人営業なので始業時間を気にしたことなどない。平均すると
朝の5時ぐらいになるが、もちろん「朝イチ」をこんな早朝の時間だとは
考えていない。「じゃあ原稿は朝イチでよろしくね」といわれたときは、
とりあえず一般的な始業時間である午前9時までに送ればそれで問題ない
と考えていた。
しかし調査結果によれば朝イチは感覚的には8時前というではないか。と
いうことは実は9時ではまずかったのかもしれない。先方の都合を推測し
てみるに、朝イチすなわち8時前にはライターから原稿を受け取り、自分
なりにチェックした後にスポンサーに9時に提出する。といった段取りを
組んでおられたのかもしれない。
ほかにも「早朝」といえば何時頃からをさすかといった項目もある。これ
はだいたい4時半ぐらいになるようだ。ということは私の営業時間は早朝
から宵の口(19時過ぎですね)ちょっと前ぐらいまでになる。今後もし
営業時間はと尋ねられたりしたおりには、早朝から宵の口までと答えれば
よいわけだ。なるほど。
とりあえず「近メシ」「朝イチ」などの感覚のズレは、それほど大きな実
害にはつながらないだろうけれど、何かトラブルが絡んでいる時の「すぐ
処理します」とか、相手から電話がかかってきた時の「ちょっとお待ちく
ださい」は要注意である。特にトラブル時の「すぐ」や「ちょっと」には
相手と自分の感覚に大きな差がある可能性が高い。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2009.10.27
2008.09.26