今日は、「ファスト風土化するネット」の話題を。いろんな場所で似た景色ばかりになっているリアルと同様に、ネットでも「見たような場所」ばかりになってきているような気がしませんか?
御社が顧客に提供できる「価値」はたくさんあるはず
先日のコラムウェブには編集力が必要だにも通じるのですが、「自社がどんな価値を顧客に提供できるか」を突き詰めてコンテンツ化していくことで、各サイトの価値が上がっていくはずです。
少し話題が変わりますが、私はこの週末に、父の日の贈り物をネットで手配しました。ここ数年、父の日は毎年、福井県にある生さば寿司の萩さんで送っていて、今年も利用させていただきました。
ネットでも人気の萩さんですが、それはもちろん、商品である鯖寿司が絶品であること、つまり非常に大きな「価値」を提供できているからでしょう(本当においしいのです)。しかし、そういった「商材がもたらす直接的な価値」だけが「顧客に提供する価値」かというと、そうではありません。もっと小さな「ちょっとした価値」はどこにでもあるはずです。
たとえば萩さんを例に挙げると、次のような情報も「価値」です。
・「父の日に喜ばれる」「大阪人に食べさせると喜ぶ」といった商材の利用方法
・「芸能人でこんな人が食べた」という話題の提供
・素人でも参考にできる調理法や鯖の加工法
・サバそのもののうんちく
・鯖寿司という食べ物のうんちく
・塩や米のうんちく
・鯖寿司以外のサバの食べ方の、懐石料理店ならではの情報
・懐石料理店という業態の裏側の話
・福井という地域の歴史やうんちく
「売るための文句」として使われることが多い要素も、その情報そのものが価値になるものです。
また、それこそ、なかの人からみると「え? そんなくだらないことが情報になるの?」というような、プロにとって当たり前で基本的なことが、一般の人には価値があることが非常に多いのです。上記以外にも、板前さんがお客さんに話して喜ばれる「ちょっとした話題」は山ほどあることでしょう。
そういった「ちょっとした」「自分には当たり前の情報」を、サイト上でそれぞれ単独のコンテンツとして、少しずつ出していくというのはいかがでしょうか。そうすることで、あなたのサイトは「そのテーマの情報が詰まった小さな情報誌」になり、サイト全体の価値が上がっていくのです。
◇ ◇ ◇
余談ですが、萩さんの鯖寿司はびっくりするおいしさで、自宅で(奥さんが)鯖寿司を作るほどの「サバイーター」(しかも鯖好きの大阪人)である私が惚れ込んでいる絶品です。「ネット通販でそんなにおいしい押し寿司が食べられるか?」と疑問の方、ぜひお試しください。この時期は鰺寿司もおいしいですよ。
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2008.09.26
2010.04.20
安田 英久
株式会社インプレスビジネスメディア Web担当者Forum編集長
企業のウェブサイト活用やウェブマーケティングに関するメディア「Web担当者Forum」(http://web-tan.forum.impressrd.jp/)を運営しています。